物価高騰にともなう値上げが目立つ世の中だが、年末に向けてセール目白押しの季節が来た。格安SIMでも、日本通信が料金そのままで通信量を増量するなど、回線獲得競争は激化。そして、店頭に目を向ければ回線獲得に各社が火花を散らしている。そこでどうしたらこの時期、スマートフォンを低コストで使えるか、いろいろ考えた。
回線獲得策も本格化、日本通信が実質的に値下げした
しかしスマホが欲しいなら、端末割引分も計算に加えたい
通信キャリアでは、毎年のことながら年末から春商戦にかけて、回線獲得競争は激化する。格安SIMでは日本通信が実質的な値下げをしている。「合理的20GBプラン」が、2178円の月額料金は変わらずに、そのまま「合理的30GBプラン」に移行する。このプランには月30GBのデータ通信に加えて、「1回5分までのかけ放題」もしくは「月70分までの通話分」が付いている。
月30GBのプランとして考えると最安クラスと言えるが、実際の支出という面で考えると少し違う見方もできる。端末を購入する費用を始め、スマートフォンに関する費用は毎月の通信料金だけではないからだ。
たとえば、5万円のスマートフォンを24回払いで購入すれば、毎月2100円程度は必要となる。20GBの通信料金と同じような金額だ。これを安く済ませることができるかどうかで、実質費用は大きく変わってくる(もちろん今持っている端末をずっと使い続けるという方法もあるが)。
MVNOの格安SIMは、加入時にスマートフォンの割引やキャッシュバックなどの特典がないか、あっても少額のケースが多く、今となってはIIJmioやNUROモバイルなど、いくつかのサービスしかない。
たとえばIIJmioはMNPでの加入時に、通常価格から2万円近く安かったり、「Redmi Note 10T」が110円で買えるなどスマートフォンを大幅割引している。店頭での契約でも同様の例は多い。
加入時に2万円相当の特典があった場合、2年間で割ると毎月833円相当。もう少し短い期間なら1ヵ月あたりの金額はさらに増える。機器代金やインセンティブまで考えると、単純に料金だけでは選べない。
単純にスマートフォンの安さなら3大キャリア
Pixel 8が実質24円という例も
年末に向け、スマートフォンの特価品も多く出現している。以前のように一括で1円というようなことは低価格スマートフォン以外はなくなっているが、分割払いの最初の2年間の支払いが月々1円、といった例は増えている。
残価設定型の24回払いや48回払いで、最初の2年間が特に安く抑えられているタイプの実質的な割引は本連載でもたびたび解説しているが、どうせ新しいスマートフォンが欲しくなるから、2年で返却して問題無いと考えるならオトクな方法だ。また、破損や紛失してしまった場合でも、通常購入した場合より金銭的ダメージが少ない仕組みも用意されている。
筆者が11月中旬に確認したケースでは、Pixel 8を主要3キャリアで扱っていることもあり、競争が激化。最初の2年間の支払い額が月1円という状況にまで値下がりしている。
2年間の支払額が毎月1円程度で、高スペックなスマートフォンはほかにもいくつかあり、主なところではiPhone 14の128GBモデル、Galaxy S22、Xperia 5 IVなどを確認している。Pixel 8以外は前年モデルとなるが、今でも性能は十分高く、24円で2年使えるならオトクなのは間違いない。
ただし、このタダみたいな金額で使うためにはそのキャリアにMNPで加入する必要がある。料金プランもMVNOの格安SIMのように安くはないが、スマートフォン代金とトータルで考える、または使い放題系のプランで使いたいユーザーであれば、悪くない選択と言える。
また現在は政府の施策によって、キャリアに加入しなくてもキャリアから機種単体での特価購入は可能。その場合はプラス2万円程度高くなるが、トータルで得かどうかはよく考えてみてほしい。また、回線加入後にすぐに解約、別キャリアに移行しても分割払いの金額は変わらないので、そうしたことができないわけではない。よく確認した上で常識の範囲でやってみてほしい。