MVNOの格安SIMの中でも大手のmineo。昨年12月27日に販売ルールの規制対象から外れたことでキャンペーンがしやすくなったほか、1月末には「平日お昼の通信品質を約5倍改善」を打ち出し、さらに6月3日までのキャンペーンでは、月20GBのプランも最大6ヵ月、月990円で利用できると話題が多い。実際のところはどうか、筆者も同キャンペーンを活用して、実際に加入して確かめてみた。
半年間990円で使えるキャンペーン
20GBの効果が大きい仕掛けも用意
春商戦でキャンペーンを実施中のmineo。今加入する魅力として大きいのが、最大6ヵ月間、月990円で使える点だ。データ容量は4つの通信量から選ぶ「マイピタ」なら、どのコースでも月990円で、最大の20GBでも同じ料金なのなら、当然これを選ぶことになる。
もともとmineoは、1GBや5GBといった小容量のプランは若干割高感はあるものの、10GBと20GBは無料のオプションも含めて、割安感があった。実際、通信量をあまり使わない人から見れば、ほかのMVNOと比べて高めの印象を持つかもしれないが、20GBだとそうでもない。
特に、10GB以上のプランでは通信量を使い切った場合でも、最大1.5Mbpsで使えるオプション「パケット放題 Plus」が無料(1GB/5GBでは月385円)。これならば動画を少し我慢すればいい程度で、あまり支障がない。mineoの魅力の1つだ。
しかし、料金プランを見ていると、より上のプラン、特に20GBを選びたくなってしまう仕掛けがある。1GBから20GBまで4段階になっているが、控え目に5GBを選ぶと1518円と他社より若干高め。前述の「パケット放題 Plus」を追加すると1903円。そこまで出すなら「パケット放題 Plus」が無料の10GBの1958円でもほぼ同額と感じる。それならば、通信量がさらに倍の20GBが2178円だとすると、これを選びたくなる。
ある意味、巧妙な料金体制である。そして今回のキャンペーンでは20GBのところに「おすすめ」マークがあり、同じ990円なら20GBを選んでしまう。そのまま6ヵ月を過ぎて容量を変更しなければのそのまま20GBの料金を払い続けることになる。mineoなかなかの策士である(もちろんキャンペーン分の終了前にコースを変更してもいい)。
通信量がずっと繰り越しの「パスケット」も最大6ヵ月無料
キャンペーン中の半年間に通信量を相当溜められそう
もう1つ、今回のキャンペーンでうまくできているのが、「パスケット」というオプション(月110円)も最大6ヵ月無料になっている点。この「パスケット」は余ったデータ量を翌月だけでなく無期限で繰り越せるというもの。あまり使わない人が20GBのコースに加入すれば、6ヵ月後には100GB近く貯まっている可能性もある。通信量は小さいコースに変更とするとしても、この貯まった分を無駄にしたくなければ、「パスケット」オプションは継続するだろうというわけだ。
mineoのメリットはドコモ/au/ソフトバンクの
3社のネットワークから選べる点も大きい
そんな料金の仕組みはともかく、外出先で動画を見る機会の多い人にとっては月20GBは決して多過ぎる通信量とは思わないだろう。
しかも、ネットワークはMVNOで主流のドコモだけでなく、au/ソフトバンクの3つから選べる。昨今のパケ詰まり問題もあって、都市部で利用することの多い人にとって、au/ソフトバンクも選べる点はmineoのメリットだ。
ちなみにmineoでは、ドコモ/au/ソフトバンクの回線タイプのことを「プラン」と称しており、容量については「コース」と呼ぶ。ドコモで20GBならば、Dプランの20GBコースとなる。ほかの格安SIMとは名称が違うので容量変更などの際には注意してほしい。
ほかにも、面白い仕組みがたくさんある
mineoにはほかにも面白い仕組みがたくさんある。通信量でいえばコミュニティーサイトの「マイネ王」があり、そこで、mineoユーザーは自分の余ったデータ容量を、ほかのユーザーとシェアする仕組み「フリータンク」がある。
中にはフリータンクの仕組みを指して、毎月1GBまで無料で追加できると言う人もいるが、もともと各ユーザーがタンクに容量を投入したものを月間1000MBまで引きだせるというものなので、最初からタンクの容量をあてにした使用法は主旨に反するとも言えよう。
ここは、日頃から余ったデータ量をタンクに投入する習慣をつけておき、本当に足りなくなったときにタンクからもらう。そういう使い方をするものと、考えたほうがいい。
また、ほかのユーザーに容量を送る「パケットギフト」の機能もある。家族などに限定されない、他のユーザーに対して通信量を送れる機能で、周囲にmineoユーザーがいれば通信量を交換できる。もちろん家族でも可能なので、容量が足らなくなった子供にお父さんが与えることもできる。