vivoは3月に折りたたみスマートフォン2モデルを発表した。そのうちの上位モデル「X Fold3 Pro」は折りたたみモデルとして初のディスプレー指紋認証を内蔵し、6400万画素の望遠カメラも搭載した高性能モデルだ。本体も薄型軽量化されており、折りたたみモデルながらも他社のフラッグシップモデルに相当する性能を誇っている。
折りたたみスマホ最高のスペックを搭載!
vivo X Fold3 ProはチップセットにSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、独自のAI機能も強化したハイパフォーマンスな折りたたみスマートフォンだ。アウトディスプレーは6.53型(2748×1172ドット、アスペクト比21:9)で、4500nitと高い輝度を誇る。
屋外での視野性にも優れており、実際に日中に使ってみたところ、写真撮影→SNS投稿もディスプレーが見にくくなることもなくラクにできた。このアウトディスプレーには指紋認証センサーも内蔵されている。
本体サイズは閉じた状態で約72.55×159.96×11.2mm、重さは236gとなる。ちなみにProの付かない「X Fold3」も同時に発表され、そちらは重量219gで「iPhone 15 Pro Max」の221gより軽い。vivoの2024年折りたたみモデルは「ハイパフォーマンス」「世界最薄」の2つのラインナップで折りたたみスマホ市場で覇権を握ろうとしているのだ。
50万回の開閉テストをクリアしているというヒンジにはメーカー名などの刻印もなく、すっきりした仕上げとなっている。なおIPX8の防水に対応しており、折りたたみモデルとしてはサムスン、ファーウェイに次いで耐水性を備える製品となった。
底面側から見ると本体は角をあまり丸めておらず、全体的にしっかりした作りだ。バッテリーは5700mAhと、これも折りたたみモデルとしては容量が大きく、100Wの有線充電、50Wの無線充電と急速充電性能も高い。
背面カメラは広角が23mm F1.7で5000万画素1/1.3型センサーを搭載。超広角も5000万画素で画角119度の15mm、F2.0、センサーサイズは1/2.76型。そして望遠はペリスコープ式で70mm(3倍)のF2.6、6400万画素 1/2.0型センサーだ。
そしてレンズは、ツァイスの「T*(ティースター)コーティング」が施されている。他社を見ると折りたたみスマートフォンはフラッグシップモデルよりワンランク下の性能のカメラを搭載することが多いが、X Fold3 Proのカメラはその一般的な概念を大きく崩してくれるほど高性能だ。
折りたたみスマホ最大画面サイズに5mm台の薄型ボディー
本体を開くと8.03型(2480×2200ドット)のディスプレーが現れる。このサイズはシャオミの「MIX Fold 3」と並んで、折りたたみスマートフォンとしては最大サイズ。しかも解像度はX Fold3 Proのほうが高い。アウトディスプレー同様に4500nitと明るいディスプレーであり、屋外でもこの大きな画面をしっかりと活用できる。
そしてメインディスプレー内にも指紋認証センサーを搭載しているので、わざわざ側面の電源ボタンを押さずともロック解除が可能だ。
開いたときの大きさは約142.4×159.96×5.2mm。アップルが先日発表した「iPad Pro」の5.1mmより1mm厚いものの、全体が平たいことも相まって厚紙を持つような薄さと感じられる。ちなみに無印モデルのX Fold3の開いたときの厚みは4.7mmと、5mmを切っている。
防塵規格には対応しないが、ヒンジ部分は異物が入らぬようしっかりとした保護されている。また、ディスプレーのヒンジ部分の折り目もほとんど目立たない。最近の折りたたみモデルはこの折り目部分の改善が著しく向上している。
ヒンジを好みの場所で止められるフレックスモードにも対応。閉じた側では30度程度、開いた側では130度程度まで開いたままにしておける。机の上に置いて使うときに便利なフレックスモードは折りたたみスマートフォンになくてはならない機能の1つである。
X Fold3 Proは現時点で中国国内のみの販売であり、OSはAndroid 14ベースのOriginOS 4を採用している。中国販売モデルのためGMSは非搭載だ。画面の左右分割表示や、アプリをポップアップでミニウィンドーで表示する機能など、折りたたみモデルとして一般的な機能も搭載している。
その折りたたみディスプレー関連の設定としては、1つのアプリを「メイン表示」「コントローラー」のように2分割表示できるフレックスモードの設定、ブラウザーなど1つのアプリを2画面表示するアプリのマルチウィンドウ表示、山折りに曲げたときにアウトディスプレー表示をするセカンダリ画面ディスプレーなどがある。
システムを見るとメモリーは16GBを搭載しており、ストレージから16GBを仮想利用すると合計32GBの利用が可能となる。内蔵ストレージは512GBと容量も大きい。自社開発したAI処理用のNPUと画像処理用のISPを統合した「vivo V3チップ」も搭載しており、AI関連機能は中国語向けのものだが、こちらも自社開発したものを採用している。そして、ベンチマークスコアはAnTuTuで202万3063と高い数値を出した。