「motorola razr 40s」で折りたたみスマホを使い始めた筆者だが、折りたたみと言えば、ガラケー風スマホもあったことを思い出して実際に購入。使い勝手はどうなのかを調べた。
最新の折りたたみケータイ風スマホ「Mode1 RETRO II」
折りたたみスマホを使うようになって、昔のテンキー付きの折りたたみケータイは非常にコンパクトで、通話もしやすかったことを思い出した。
というわけで、今回購入したのが昨年10月発売のケータイ風スマホの「Mode1 RETRO II」(大手ECや量販店での価格は2万9800円)。P-UP Worldが提供する「型はガラケー、中身はスマホ。」とうたう製品で、内容はスマートフォンなのだが、テンキーなどの物理ボタンがある。一方で、液晶部分はタッチパネルになっている。
見た目も手にした感じも折りたたみケータイそのものだが、キーボードを見るとAndroidのナビゲーションボタン(←○□)が物理ボタンとして並んでいる。その下には発話/終話ボタンがあり、終話ボタンが電源ボタンを兼ねているところもケータイっぽい。
本体にはストラップホールも用意されており、やろうと思えば昔のようにジャラジャラとストラップを付けることが可能。外観上はレザー調の貼りものがあることでレトロ感を演出しているのだが、それは筆者は不要に感じた。高い年代層の利用を想定している面もあると思うが、後述するように操作自体は従来の折りたたみケータイとはかけ離れているからだ。
一応スペックを紹介しておくと、プロセッサにMediaTek Helio G85、メモリーは4GB、ストレージは64GB。プロセッサは2020年登場のもので当時はミドルクラスだったが、現時点では普通に使える最小限度と考えたほうがいいだろう。Androidのバージョンは13。
画面は約3.5型と小さいが、解像度は720×1440ドットで、粗いという印象はなく、むしろ小さな画面に緻密な表示という印象を受ける。
通話機能はすぐ使える
グーグルの同期機能のおかげで連絡先の登録は問題無し
折りたたみケータイとしては、まず最初に試したいのはやはり通話機能。昔のケータイと同じく、テンキーの数字ボタンを押すと通話アプリが立ち上がる。そのまま電話番号を続けて入力し、発話ボタンを押せばすぐ電話をかけられる。
ただ、電話番号を打ち間違えたときに終話ボタンを押しても何も起こらないのが昔のケータイと少し違うところ。ダブルクリックすれば通話アプリが終了、すなわちホームボタンを押したことと同じ状態になる。
電話帳機能は、登録したGoogleアカウントの電話帳を参照できるので、ここは従来のケータイよりも便利だ。スマートフォンからMode1 RETRO IIに移行してもGoogleアカウントだけ設定すれば、すぐフル活用できる。
形状的にも電話がしやすく、かけ放題の利用に独自アプリを必要としない格安SIMと組み合わせれば、通話用に大変便利だろう。
ただし、楽天の国内通話かけ放題で用いる
「Rakuten Link」との相性はよくない
やや問題が生じるのは、独自の通話アプリが必要なケースだ。かけ放題でオトクと言えば、基本料金にかけ放題が無料で付いてくる楽天モバイルが思いつくが、通話定額の利用にはRakuten Linkアプリを使って発信する必要がある。
ところが、Rakuten Linkアプリと本機の相性はかなり悪い。なぜなら、せっかくのテンキーが役に立たなくなるのだ。Mode1 RETRO IIからRakuten Linkアプリで電話を発信するには、ディスプレーに表示される数字をタッチで操作する必要がある。通話の標準アプリとしてRakuten Linkを設定することもできない。
上下ボタンは使えるので、電話帳から相手を選ぶことには使えるが、発信しようと発話ボタンを押すと標準の通話アプリが立ち上がってしまう。
そして終話ボタンも使えず、折りたたんでの終話もできない。アプリを切り換えても終話しないため、いつまでも通話状態のまま可能性もある。着信も同様で、発話ボタンで電話に出ることはできず、Rakuten Link側で電話が鳴っているのに、発話ボタンを押すと標準の通話アプリが立ち上がるということになる。
もし、Rakuten Linkと組み合わせてオトクなかけ放題ケータイを狙っているのなら、操作性にはよく注意したほうがいいだろう。顔に当てて通話しやすいという以外のメリットはこの組み合わせにはない。Rakuten Linkを使うなら、普通のスマートフォンのほうが混乱せずに使えそうだ。