「ChatGPT」は、2024年5月のアップデートによって、無料プランでも利用できることの幅が大きく広がった。しかし、ガンガン使い込もうとすると各種制限に引っかかってしまい、肝心なときに待たされたり、性能の低い言語モデルに切り替わったりしてしまう。
そのため、とことん使いこなしたいなら有料の「Plus」プランに加入するのが得策だ。「Plus」に加入すると利用制限のストレスがなくなるだけではなく、利用できる機能が増え、さらに便利なアシスタントとして使えるようになる。
今回は、「ChatGPT Plus」への加入方法や、「Plus」で利用できる機能について紹介していこう。
無料プランと「Plus」プランの違いとは
ChatGPT Plusは、月額20ドルの有料プランだ。無料プランと「Plus」プランには、主に以下のような違いがある。
無料プラン | Plusプラン | |
---|---|---|
月額料金 | 無料 | 20ドル |
利用可能なモデル | GPT-3.5/GPT-4o | GPT-3.5/GPT-4o/GPT-4 |
GPT-4oの利用 | 1時間に連続10回まで | 1時間に連続80回まで |
使用制限 | 高負荷時には制限がかかる場合あり | 優先アクセス、利用制限が少ない |
応答速度 | 混雑時に遅くなることがある | 混雑時でも高速応答 |
アクセス優先度 | 低 | 高 |
DALL-E 3の利用 | - | ○ |
GPTsの利用 | ○ | ○ |
GPTsの作成 | - | ○ |
2024年5月に発表されたアップデートの大きな目玉は「GPT-4o」だ。これは、OpenAIとしては初のマルチモーダルとして開発された言語モデル。マルチモーダルとは、テキストだけではなく、画像や動画、音声などの入力も理解し、処理できるモデルのこと。つまり、画像を渡せば、それを画像そのものとして認識するし、音声データを渡せば、音声の細かいニュアンスの違いを認識する能力を持っている。また、テキストの処理性能はGPT-4と同等レベルながら、非常に高速なのが特徴だ。
これまでGPT-4レベルの処理は、「Plus」ユーザーしか利用できなかった。しかし、今回のアップデートで無料プランでもGPT-4oが開放され、同じレベルの処理を利用できるようになった。ただし、表にあるとおり、1時間に10回までしか質問できないという厳しめの利用制限があるため、あっという間に上限に達してしまうだろう。
また、後述する「DALL-E 3」による画像生成やGPTsの作成なども無料プランでは利用できない。特に、DALL-E 3の画像生成は非常に便利なので、これらを活用することを考えるなら「Plus」プランに加入したいところだ。
加入方法は「公式サイト」と「アプリ内課金」の2つがある
さて、「Plus」プランへの加入方法だが、2つの方法がある。まずは、Web版のChatGPT(公式サイト)から加入する方法だ。こちらは月額20ドルの課金が発生し、決済方法はクレジットカードとなる。
もうひとつは、iPadの「ChatGPT」アプリから加入する方法だ。こちらはアプリ内課金という形になり、月額3000円の課金が発生する。クレジットカード情報の入力などは不要で、Apple IDに登録してある支払い方法でアップグレードできる。
すでにお気づきかもしれないが、加入方法によって月額料金に違いがある。通常、アプリ内課金ではアップルの手数料がかかるため、公式サイトからの料金より高くなるのが普通だ。しかし、執筆時点では円安の影響により、公式サイトから加入したほうが高くなっている。ただし、いつ円高に振れるかはわからないし、アプリ内課金のレートの見直しが行われる可能性も否定できない。
そのため、どちらのほうがお得かの判断は非常に難しいところだ。加入するタイミングで、どちらから行うべきか検討して手続きを進めてほしい。