グーグルはライバルに比べ有利、だからこそ気になる「独占」の行方
もちろん課題は、「グーグルがいうとおりの動作をするのか」という点だ。
どれも珍しい要素ではなく、過去にGoogleアシスタントが試みてきた方向性ではある。しかしそれがようやく、生成AIの力によって「実現するかもしれない」と感じられるタイミングになってきた。
また、アップルやマイクロソフト、サムスンなども同じ方向性を狙っている。各社がいつ理想を実現するのか、そしてどこが一番良い使い勝手になるのかは不透明だ。もちろん、前出のように「日本語」を含む多言語対応の問題も大きい。
ただ、AIが本格的に活用されるとすれば、そこでは「AIの技術がある」だけではなく、多様なサービスを持っていてAIをそこに組み込んでいけることや、多様なデバイスとの連携が必要になってくる。
これができる企業は多くない。AIの開発自体にコストがかかることに加え、プラットフォームとしての強さも重要だ。すなわち、グーグルという企業は明らかに「AIをアシスタントとする戦略」に向いた特性を持つ、有利な立場なのだ。
一方アメリカでは、グーグルに対して「分割議論」も出始めている。そうしたことがどう影響するのか、そろそろ考える時期に来たともいえそうだ。