AIっぽさが感じられないGemini Liveの高い言語力
Gemini Liveを試しました。最初にがんばって英語で話してみました。Geminiがどれほど流ちょうにチャットができるAIなのかは動画を見ればよくわかると思います。
Geminiの話し方には、機械音声であることや「AIっぽさ」がまったく感じられません。語り口は滑らかだし、こちらが多少言葉に詰まっても辛抱強く待って会話を続けてくれます。筆者は英語をネイティブスピーカーなみには使いこなせないので正確なニュアンスはわかりませんが、まるで人間と会話しているような感覚でした。
Gemini Liveの画面には会話の文字起こしがありません。その代わり会話の終了後にGeminiアプリのメニューから「Gemini Apps Activity」を開くと、ユーザーが直前にGeminiと交わした会話の内容をテキストで読めます。「英会話の壁打ち学習」にもGemini Liveが即戦力として使える手応えを得ました。
Geminiが日本語でもスムーズに話すことができた
8月22日の発売時点、Gemini Liveは「英語限定」の機能ですが、実はGeminiは日本語でも話せました。Gemini Liveを起動後、「Gemini, I want to speak wit you in Japanse(ジェミニ、日本語で話そう)」と伝えると、Geminiからの応答が日本語になりました。音声は女性の声が1種類のみで、時々英語に戻ったりしますが、話し方は英語ほどではありませんがスムーズです。
Geminiは日本語を聞き取れません。そのため、英語で話しかける必要があります。でも自分の英語がGeminiに正しく伝わっているかどうかが、日本語で答えが返ってくると明確にわかります。これもまたGemini Liveを活用したよい英会話レッスンになりました。日本語を学習したい外国人の方にもおすすめです。
Gemini Liveが日本語による自然会話に本格対応した時のイメージを垣間見ることができました。Geminiとの会話体験は、これからPixelシリーズからAndroidスマホ、iPhoneのGeminiアプリにも急速に広がるでしょう。
現在Googleアシスタントを搭載するスマート家電のデジタルアシスタントがGeminiに置き換わり、テレビや冷蔵庫と自然に会話できる日も遠くないかもしれません。Pixel 9シリーズを発表する直前、グーグルはGoogleホームアプリやNestシリーズのスマートデバイスからGeminiのAIモデルを試験的に活用するパブリックベータプレビューを、年末までに米国で開始することを発表しています。
Google Pixel 9シリーズの登場を皮切りに、私たちの生活にもGeminiが一気に浸透するような予感がしてきました。まずは多くの人に最前線のAIスマホであるPixel 9シリーズに触れてほしいと思います。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。