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サムスン「Galaxy Z Fold6」は折りたたみに加えてAIでビジネス機能が大幅強化された (1/2)

文●佐野正弘 編集●ASCII

2024年08月28日 12時00分

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 サムスン電子の新しい折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold6」は、ハードウェアの洗練度をさらに高めて使い勝手を向上させたのに加え、新たに「Galaxy AI」の活用によって、横折り型スマートフォンと相性がいいビジネスで活用しやすい機能を豊富に備えている。

 Galaxy AIを中心としたGalaxy Z Fold6の使い勝手と実力を実機から確認してみよう。

薄型軽量化で本体を閉じた状態での操作性が向上

 まずは外観を確認すると、Galaxy Z Fold6は開いた状態のメインディスプレーが7.6型、折りたたんだ状態のサブディスプレーが6.3型。サイズは開いた状態で約132.6×153.5×5.6mm、閉じた状態で約68.1×153.5×12.1mm、重量は239gとなる。

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Galaxy Z Fold6を開いたところ。7.6型の大画面で利用できる点は変わらない

 前機種「Galaxy Z Fold5」と比べると大きくサイズが変わった訳ではないのだが、それでも変わったと感じさせるのが閉じた状態である。Galaxy Z Fold5は閉じた状態の厚さが13.4mm、幅が67.1mmであったのだが、それと比べるとGalaxy Z Fold6の厚さはおよそ1mm薄くなった一方で、幅は1mm増している。

 それに加えて重量は、Galaxy Z Fold(253g)と比べ10g以上軽量化がなされている。そうしたことからGalaxy Z Fold6は、閉じた状態で手にした時の持ち心地が、より一般的なスマートフォンに近づき、片手での操作性も向上したと感じるのだ。

 Galaxy Z Fold6を大画面で利用するシーンは意外と限られ、通常時は折りたたんだ状態で使用することが多いだけに、閉じた状態での持ちやすさが向上したことは大きなメリットだ。

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閉じた状態で片手で持ったところ。薄型軽量化と幅がやや広がったことで、一般的なスマートフォンの持ち心地により近づいている

 そして薄さや軽さはもちろん、開いた状態での使い心地にも大きく影響してくる。代を重ねたことでヒンジやボディーもより安定感が増し、折り目部分の“しわ”もより目立ちにくくなったことから、従来より一層違和感なく、安定して使える印象だ。

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従来通り折り曲げた状態で利用することも可能。フレキシブルな使い方ができるのも折りたたみ型の大きなメリットとなっている

 もう1つ、大きく変わったと感じるのが角の部分で、Galaxy Z Fold5までの角に丸みのあるデザインから、角の部分がより角ばったスクエアなデザインへと変更された。これによりビジネスユースにマッチする落ち着いたデザインとなった一方、手にした時に角の部分が当たるのが気になりやすくなったのも確かで、好みが分かれるかもしれない。

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デザインがスクエアになったことで角の部分の丸みが減り、手にした時に角が当たるのがやや気になるようになった

 側面のインターフェースを確認すると、開いた状態で右側面に音量キーと電源キー、右側面にSIMスロット、底面にUSB Type-C端子が備わっている。このあたりの大きな変更はないようだ。

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開いた状態の右側面。音量キーと電源キーが備わっている

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同じく底面にはUSB Type-C端子が用意されている

「Samsung Notes」と「Galaxy AI」の連携が強力

 そしてGalaxy Z Fold6の最大の特徴となるのが「Galaxy AI」である。Galaxy AIを活用した機能は既に「Galaxy S24」シリーズや、もう1つの折りたたみスマートフォン新機種「Galaxy Z Flip6」などに向けても提供されているが、中でもGalaxy Z Fold6の場合、開いた状態での大画面と、専用の「Sペン」を使ってメモなどができることから、多機能ノートアプリ「Samsung Notes」がGalaxy AIで強化されていることが重要なポイントといえる。

 Galaxy AIを活用したSamsung Notesの代表的な機能の1つが「要約」や「翻訳」である。これは文字通り、ノート上のテキストの内容を要約したり、翻訳したりしてくれる機能。ノートに長い文章を入力する機会は多くないだろうが、ノート上に取り込んだウェブサイトのテキストなども要約・翻訳できるので便利だ。

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「Samsung Notes」に本誌記事を取り込んで文章を要約してみたところ。わりと的確な要約がなされているようだ

 実際に試してみると、処理スピードは比較的早く、結果がすぐ表示されることから使い勝手もよい。要約は適切に文章をまとめてくれているが、日本語への翻訳は「Google翻訳」などと比べると不自然な訳が見られ、もう少し精度が上がってほしいと感じた。

 ちなみにボイスレコーダーアプリなどと同様、ノート上で録音した音声を文字起こしし、翻訳も可能なので覚えておきたい。

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米国サムスン電子のウェブサイトのプレスリリースを取り込み、翻訳したところ。なんとなく内容は理解できるものの、不自然な訳が目立つのが気になる

 そしてもう1つとなるのが「AIスケッチ」である。これはノート上に簡単な線で絵を描くと、それを基にAI技術でさまざまなスタイルの絵を作成してくれるというもの。「水彩画」「3Dアニメ」など5つのスタイルを選んで好みのスタイルの絵を生成してくれるほか、生成された絵はもちろん、ノート上に取り込んで活用することが可能だ。

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ノート上に適当なスケッチをして「AIスケッチ」を選ぶと、スケッチからさまざまなタッチのイラストを生成してくれる

 実際に試してみると、比較的描いた線に忠実な形でイラストを生成することから、ベースの絵が上手い方がよりイメージに即した絵を生成しやすい。やや絵のセンスが問われるが、手軽に絵を追加できるのはメリットだ。

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「水彩画」で生成した結果。生成したイラストは複数の候補が現れ、その中から最適なものを1つだけ選ぶ仕組みで、時々不自然なものが出るケースはあるものの、おおむねスケッチに即したものが出てくるようだ

 もう1つ、ビジネスシーンで役立ちそうなのが「通訳」アプリである。通訳アプリ自体はGalaxy S24シリーズなどでも提供されているものだが、Galaxy Z Fold6はクイック設定パネルから通訳アプリが呼び出せるようになり、より使い勝手が向上している。

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「通訳」アプリはクイック設定パネルから素早く呼び出せるようになった

 それに加えてGalaxy Z Fold6の通訳アプリには、新たに「リスニングモード」が追加されている。従来の通訳アプリは外国人との対話をするのに特化した設計となっていたが、リスニングモードを用いると、外国語で話した内容を随時リアルタイムで通訳してくれる。

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新たに追加された「リスニングモード」を使ってみたところ。リアルタイムでの翻訳ということもあり時々不自然な訳も見られるが、外国語での講演内容をその場である程度理解したいという場合にかなり役立ちそうだ

 あくまでリアルタイムでの通訳ということもあって、音声をあとから翻訳する「録音」アプリと比べると翻訳精度は落ちるのだが、それでも外国語での講演やプレゼンテーションの内容を、その場でなんとなく知ることができるのは大きなメリットだ。

 リアルタイムモードで通訳した音声はそのまま録音し、あとから文字起こしして翻訳もできることから、外国語の講演などを聞く際には非常に役立つだろう。

 Galaxy Z Fold6の通訳アプリは、折りたたみ構造を活かして本体を90度折り曲げ、サブディスプレーに翻訳結果を表示することも可能。外国人とのコミュニケーションをより円滑にできるので有効活用したい。

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通訳アプリでは折りたたみ構造を生かし、サブディスプレー側に自身が話した内容の翻訳結果を表示できる。マイクボタンを押してもらうことでそのまま返答してもらうことも可能だ

 これら以外にも、「かこって検索」や音声通話の翻訳、ボイスレコーダーでの文字起こしなど、Galaxy S24シリーズで提供されていたものを含め、Galaxy AIを活用した機能が多く搭載されている。サムスン電子がいかにGalaxy AIに力を入れているかがわかるだろう。

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