カメラとゲーミングは安定の高性能
では性能面はどうか。Galaxy Z Fold6はクアルコムのハイエンド向けチップセットに独自カスタマイズを加えた「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」を搭載しており、メモリーは12GB、ストレージは256GBから1TBまで3種類が用意されている。
各種ベンチマークで性能を測ってみると、スペック通り非常に高い性能を持つことがわかる。現時点で最高峰の性能を持つことに間違いないだろう。
実際にAAAクラスのゲームでグラフィックを最高設定にしてプレイしてみたが、よほど重い処理が走るのでなければおおむね快適にプレイでき、不満を抱くことはなかった。冷却性能も強化されているので熱によるパフォーマンス低下もあまり生じず、ゲーミング用途でも十分満足できる性能を持つといえる。
続いてカメラに関してだが、背面のメインカメラは約5000万画素/F値1.8の広角カメラと、1200万画素/F値2.2の超広角カメラ、約1000万画素/F値2.4で光学3倍ズーム相当の望遠カメラを搭載。フロントカメラはサブディスプレー側が1000万画素/F値2.2、メインディスプレー側が400万画素/F値1.8でディスプレー下部に設置されている。
それゆえ性能面ではGalaxy Z Fold5と大きく変わらず、幅広いシーンに対応した撮影が可能だ。それに加えて加えてGalaxy AIの活用による編集機能も強化されていることから、撮影後に写真を加工する楽しさも強化されている。
実際に被写体を移動したり、消したりして見ると、その跡を綺麗に埋め合わせてくれることが多いようだ。ただ場所やオブジェクトによっては跡を“消す”のではなく“別のもので埋める”ことが多く、「そうじゃない」と感じてしまうケースが多いのが気になる。
バッテリー容量もGalaxy Z Fold5と同じ4400mAhだが、それでいて重量が減っているのは大きな進化だ。また、SIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM構成で、5Gはドコモの4.5GHz帯(バンドn79)、そしてミリ波の28GHz帯(バンドn257)にも対応するなど、通信面での充実度も非常に高い。
SIMスロットはナノSIM×1で、eSIMとのデュアルSIM構成となる【まとめ】完成度は高いが高過ぎる価格が最大の弱点
まとめると、Galaxy Z Fold6はハードウェア面での精度を高め、従来の不満要素でもあった折りたたんだ状態での操作性をより向上させながらも、ソフト面ではGalaxy AIの活用によって、ビジネス関連の機能充実が図られたことから、Sペンが利用できることも含めてよりビジネスシーンで活用しやすい端末に進化した。
一連の改善によって折りたたみデバイスとしての完成度は高まり、スキが少なくなったのはもちろんだが、販売当初からSIMフリーモデルが提供され、ソフトバンクや楽天モバイル、そしてMVNOの利用者も購入しやすくなったのもメリットだ。欲を言えばやはりSペンを本体に内蔵できるようにしてほしいが、薄さに影響してくるだけに難しいのかもしれない。
一方で、価格高騰がGalaxy Z Fold6の最大の弱点となってしまった感は否めないだろう。SIMフリーモデルでいうと最も安い256GBモデルで24万9800円、最も高い1TBモデルでは30万3800円と、とても一般消費者が気軽に支払える価格ではないのが厳しい。そろそろ性能を引き下げた低価格モデルの投入も検討すべきだろう。
Galaxy Z Fold6 | ||
---|---|---|
ディスプレー | 7.6型有機EL (1856×2160、1~120Hz) サブ:6.3型有機EL (968×2376) |
|
サイズ | 開:約132.6×153.5×5.6mm 閉:約68.1×153.5×12.1mm |
|
重量 | 約239g | |
CPU | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy |
|
内蔵メモリー | 12GB | |
内蔵ストレージ | 256/512GB/1TB | |
OS | Android 14 | |
カメラ画素数 | 50メガ+12メガ(超広角) +10メガ(光学3倍) イン10メガ+4メガ |
|
バッテリー容量 | 4400mAh | |
FeliCa/NFC | ○/○ | |
防水・防塵 | ○/○(IPX8/IP4X) | |
生体認証 | ○(指紋+顔) | |
SIM | nanoSIM+eSIM | |
USB端子 | Type-C | |
カラバリ | シルバーシャドウ、ネイビー、クラフテッドブラック、ホワイト |