1インチ&可変絞り搭載の最強カメラ
AIでの処理も秀逸で美しい仕上がり
Pura 70 Ultraのメインカメラは23mmの広角、5000万画素。ファーウェイとして初の1インチセンサーを搭載した。また絞りは可変式で、F1.6から4.0まで物理的に調整できる。カメラは沈胴式で、カメラアプリを起動すると本体から1mmほど浮き上がり焦点距離を稼ぐ構造になっている。レンズ周りを赤い色にすることで、ちょっとしたアクセントを出しているあたりは細かい演出だ。
残りのカメラは超広角が13mm 4000万画素 F2.2、望遠は3.5倍 90mmで5000万画素 F2.1となっている。
カメラのUIはファーウェイの従来モデル同等であり、標準のモード切り替えは「夜景」「スナップショット」「ポートレート」「写真」「ビデオ」「プロ」「その他」と続く。シャッターボタン下の矢印状のアイコンをタップするとクイック設定を表示できる。また「XMAGE」を選ぶとファーウェイのデジタルイメージング技術による色仕上げの切り替えが可能だ。
ビデオは最大4K 60fpsまでに対応する。夜景モードではシャッター速度を最大32秒までに設定可能、光が流れるような効果の写真も撮ることができる。その他モードにはメイン・フロントの2つのカメラを同時に使う「デュアル表示」、ほかのEMUIスマートフォンのカメラを操作できる「マルチカメラ」、そして可変絞りを調節できる「アパーチャ」モードなどを備える。
アパーチャモードではソフトウェアにより絞りと可変絞りを使う物理絞りを切り替えできる。物理絞りはF1.6、F2.0、F2.4、F4.0と簡易的に4段階の絞り切り替えが可能だ。一方プロモードではF1.4からF4.0の間で25段階の細かい調節ができる。ポートレートモードでは標準で適度な絞りによるボケ撮影が可能だ。
実際に絞りを切り替えてみると、F1.4とF4.0ではレンズの開口部が大きく違うことがよくわかる。1インチセンサーを搭載していることもあり、ボケを活かした写真を撮りやすい反面、F4.0で開放にすることで逆に近距離撮影時に全体をボケさせない撮影も可能になるわけだ。
それでは以下は作例だ。まずは13mmの超広角で撮影。比較的周囲のゆがみも少ない。
3.5倍撮影も良好だ。なお、各画角ともピクセルビニングで1200万画素相当で撮影される。
10倍のデジタル望遠で撮影。AI処理によりコンクリートの角の部分などもきっちりと加工されている。
続いて100倍望遠を試してみた。まずは道路を撮影。ここから奥の陸橋にある看板を100倍で撮ってみる。
各社のスマートフォンは100倍デジタル望遠を搭載しているモデルが多いが、仕上がりはノイズが乗りやすく記録用として使う程度のものが多い。Pura 70 Ultraの100倍望遠はAI補正がかなり効いており、SNSのタイムラインで見る程度なら十分使えるだろう。
続いて絞りの効果を見てみる。1インチのカメラセンサーを搭載したスマートフォンが増えているが、背景がボケやすい。ボケのある写真を好む場合はそれでもよいが、逆に言えば背景までをしっかり写せない。
絞りをF4.0に切り替えると背景のボケが弱まり、全体のイメージを記録することができる。物撮りをするときなどもF4.0モードは有用だろう。
また絞りを手動で動かすことで、光の光芒を出した写真も撮影できる。これは一般的なスマートフォンのカメラでは出しにくい効果だ。
1インチセンサーであるが10cm程度までは近寄ることができる。今回は試すのを失念してしまったが、望遠カメラを使ったマクロ撮影にも対応しているので撮影範囲は広い。
香港の街中で寺院を撮影。原色のある建築物だが過度な色補正もなく自然な仕上がりだ。銅像を撮影してみたが光沢具合などもかなり実物に近い。
夜景モードも比較してみた。まずは標準の写真モードで撮影。1インチセンサー搭載とAI処理で普通に撮影してもかなり美しい。
夜景モードでシャッター速度3秒で撮影。空の雲がしっかりと表現され、水面に反射する光もかなり明るくなっている。好みの差もあるがより映える写りになっているだろう。