新iPhoneの発表に合わせてか、格安SIMも各社で動きが目立つようになってきた。その1つ、HISモバイルが開始した新プラン、月額280円から利用できる「自由自在2.0プラン」を実際に加入して試した。
最低料金は従来よりもさらに月10円安いが
それ自体はあまり恩恵はない!?
まずは「自由自在2.0プラン」の概要。「自由自在2.0プラン」では、1GB/3GB/7GB/10GB/20GB/30GBとコースを選んで利用する。そして、最安値の月額280円で利用するには、「1GB」で申し込む必要がある。「1GB」の通常の月額料金は550円。しかし、月間のデータ利用量が100MB未満ならば280円しか請求されない。
従来の「自由自在290プラン」でも、この部分は基本的に同じで、「1GB」は550円、100MB未満の場合は290円だったので、最低料金が10円値下げとなったわけだ。
もっとも普通にデータを使えば100MBというのはあっという間だろう。動画視聴をしなくても、現在のウェブサイトはデータ量が多く、広告満載のサイトを見ているだけで100MB突破は時間の問題。予備の回線としてほとんど使わないか、通話専用回線として音声通話をメインにするような使い方以外では10円安くなった恩恵は受けられない。
ただし、通話専用回線として考えた場合、HISモバイルは音声通話はアプリ無しでも30秒あたり9円、1回6分以内の通話定額が月500円、かけ放題が月1480円となかなか優秀だ。
10GBや20GBのプランは割安感あり
旅行会社らしい特典も用意されている
そのほか各コースの料金だが、「1GB」の550円、「3GB」の770円、「7GB」の990円は従来プランと同様。
その上では、「10GB」が1340円、「20GB」が2020円、「30GB」が2970円と区切りが再編され、一方で「50GB」はなくなった。従来は「20GB」が2190円、「50GB」が5990円だったことからすれば、新プランは大容量が少し割安になったと言えるだろう。
「20GB」以上のプランには、通話定額がセットで付いてくることは従来と同じだが、定額になる1回あたりの時間が、従来の5分から6分へと長くなっている。1回の通話が2~3分の人には恩恵はないが、ギリギリ超過していたような人にとっては、じわじわと1分間の差が効いてくるはずだ。
また、前述したようにHISモバイルはどのプランも通常の通話料が30秒9円と割安で、突発的に長電話が発生してしまった場合も安心だ。定額外の長電話をついつい1時間してしまったとしてもHISモバイルなら1080円。それが大手キャリアを始め、30秒あたり22円のサービスであれば、2640円もかかってしまうのだ。
さらに「7GB」以上のプランを選んだユーザーには最適なプランを提案する「AI料金コンシュルジュ」が無料で利用できるとのこと。データや通話の利用量から、最適なコースと音声オプションを提案してくれる。提案はAI料金コンシュルジュを申し込んで4ヵ月目以降からとなる。
ほかにも、大手旅行会社のHISグループらしく、国内外のツアーの割引をはじめ、ハワイのLea Leaトロリーの1日乗り放題パスが無料となるなど旅行に役立ちそうな特典が多くある。
ただし、HISモバイルは国際ローミングは音声通話とSMSのみで、データ通信には対応していない。この点についてはHISモバイルでは海外で使える「Trip SIM」のサービスを用意している。
9月30日まで事務手数料割引のキャンペーンが実施中
初期費用を安くするのが難しいだけに今が機会かも
そのHISモバイルだが、新料金プラン開始に合わせて、9月30日まで初期契約事務手数料が割り引きになる「新料金プラン発売記念記念ココロオドルキャンペーン」を実施している。
月額料金が安価な代わりに、初期費用の3300円を安くする手段があまり用意されていないHISモバイルだが、その初期費用相当が、17日朝9時59分までは50%オフ(1650円)、10月1日午前9時までは30%オフ(2310円)になるエントリーパッケージを公式オンラインショップで販売している。この期間に入手しておけば、実際の加入は10月末日までに手続きをすればOKだ。
筆者の場合は、開始直後の99%オフ(33円)のときに購入して加入した。エントリーパッケージのコードは購入後少し時間をおいてメールで送られてくるが、申込時にそのコードを入力して契約する。
APN設定にややクセあり、機種によっては戸惑う
MVNOの格安SIMの利用時の儀式として、スマートフォン上でのAPN設定があるが、HISモバイルのAPN設定は大手MVNOの格安SIMとは違い、機種によってはあらかじめ用意されておらず、手動で入力する必要がある。ただし、8月にHISモバイルのサービスのベースとなっている日本通信とAPNを共通化しており、日本通信SIM/b-mobileの設定を選んでもよくなった。
今回、motorola edge 40で使うにあたり、APNとして「b-mobile 高速定額」がプリセットであり、それを選択することですぐ通信可能となった。
ところがなんとなく気になったので、HISモバイル側で指定されているAPNを手動で設定したところ、何度やっても通信状態にならないのだ。同じ設定をほかの機種で試したところ、Redmi 12 5Gでは正常に通信を開始した。Pixel 7では設定自体がなぜか保存されず「日本通信SIM」だと通信が可能と、若干不思議な状態に。
HISモバイルのウェブサイトでは、APN設定として日本通信SIM/b-mobileの設定も利用可能と案内しているので問題はないのだが、少しスッキリしない気分で使っているのも正直なところだ。