ハイレベルなノイズキャンセリングと外部音取り込み
ANC機能はオン/オフと外部音取り込みの3段階から選択します。消音効果を段階的に調整する機能はありませんが、ユーザーがイヤホンを装着したまま会話を始めたことを自動で検知して、外部音取り込みに素速く切り替える「会話検知機能」があります。
固定用アーチによる装着を済ませておけば、Pixel Buds Pro 2の高い消音効果が実感できると思います。筆者は初めて本機をカフェで試した時に、店内で響いているコーヒーグラインダーの音が聞こえなくなるほど強力な消音効果に絶句しました。大きな騒音に囲まれる場所で、静かにコンテンツの音に集中できました。反対にその効果はすごく強力なので、外を歩きながら使う時には必ず外部音取り込みにスイッチするべきです。
筆者はアップルのAirPods Proを「クリアな外部音取り込み」のリファレンスとしていますが、Pixel Buds Pro 2の外部音取り込みはAirPods Proに迫るほどハイレベルです。イヤホン側面のタッチセンサーリモコンから素速く機能が切り替えられます。
前世代のPixel Buds ProはANCの強さはPixel Buds Pro 2に負けていません。一方で、ノイズキャンセリングをオンにした時に耳にかかるプレッシャーはPixel Buds Pro 2の方が大幅に軽減されていると感じました。また外部音取り込みをオンにした時の環境音の聞きやすさはPixel Buds Pro 2がより洗練されています。グーグルが本機の進化としてうたう「Silent Seal 2.0」は、単なる消音効果の強さだけでなく、全体に使い勝手が良くなっていることを総合的に評価するべきです。
Pixel Buds Pro 2には、グーグルが独自に設計したTensorの名前を冠するオーディオ向けチップセットの「Tensor A1」が搭載されています。イヤホンに内蔵するマイクで取り込んだ環境ノイズを300万回/秒の速度で解析しながらノイズ成分を選り分けて、高度なANCと外部音取り込みを実現することに長けたチップです。高度な処理をこなしつつ、電力消費は低く抑えられることも特徴です。
イヤホン単体での消費電力はANCオン時で最大8時間。参考までにアップルのアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods 4はANCオンで最大4時間の再生に対応します。