手ブレ補正は焦点距離が長くなったぶん心配もしたが、しっかり構えば遠景は1/4秒程度、マクロモードの近景でも1/15秒程度ならブレを補正してくれた。
フルサイズ6030万画素に
「アポ・ズミクロン」を持ち歩く快感は
Qシリーズならでは
いろいろ撮り歩いてみて感じたのは、やはり43mmという焦点距離の絶妙さ。人の見た目の近い画角ということもあるが、構図の工夫次第で広角レンズのような遠近感や望遠レンズのような圧縮感を表現できるのが面白い。
AF速度も街中のスナップでは十分な素早さでピントを合わせてくれた。暗所では迷うこともあったが、レンズ指あて部のロックで即座にMFに切り替えられ、フォーカスエイドの自動拡大やピーキングを頼ればピントも合わせやすい。
個人的なことだが気になったのは通常撮影の最短撮影距離60cm。標準レンズとしてはM型の70cmより近いが一般的な一眼レンズの45cm前後よりは長め。なぜか自分の場合、グッと被写体に寄って撮りたい時の距離感が60cm前後のことが多く、頻繁にマクロに切り替えることがあった。
手にしたときに重厚さが伝わってくるボディー高級感はさすが。上品で静寂なメカニカルシャツター(1/2000秒以上では電子シャッターになってしまうが)も心地よく、撮っているときのワクワク感は最近の機能重視モデルとは一線を画す。
110万円という価格にはビビるが、レンズ込みと考えると純粋なライカ機のなかではギリ手が届きそうな気も。いつかはライカと憧れている人はぜひ注目してほしい。