通話をよく使うのであれば、料金の差は大きくなる
実際の支払額が変わってくる要因はほかにもある。特に注目したいのが通話料金だ。プライベートであればLINEなどのアプリを使った通話が中心で、料金のかかる通話をする機会は減少しているか、ほぼ無いという人もいるだろうが、それでも電話をかける機会はゼロではない。
これから年末。帰省やイベントで家族や親戚、昔の知人と連絡を取ることもあるだろう。ついつい会話が盛り上がり、1時間の通話になってしまったとする。かけ放題を申し込んでいなければ通話料は結構な額になる。30秒あたり22円の場合、1時間で2640円だ。1回5分までの定額通話があったとしても2420円かかる。
ところが、MVNOの格安SIMのように30秒あたり11円のサービスなら半額。最初から国内通話かけ放題が付く楽天モバイルなら、もちろん追加の料金は不要だ。
30秒あたり22円なのはahamo/UQ mobile/LINEMO/Y!mobileと主要3社とそのサブブランドが該当する。30秒11円なのはIIJmio、日本通信SIM、イオンモバイルなどMVNOが多い。
なお、プラン自体に組み込まれている通話定額だと、ahamoとLINMOは1回5分まで、UQ mobileとY!mobileは若干長い1回10分まで。日本通信SIMは1回5分まで、もしくは月あたり70分を選べるのが便利。他のMVNOはオプション。また、かけ放題にする場合の料金もそれぞれ異なる。
プラン変更の余地や加入特典もトータルコストでは重要
月30GB近い、多めのデータ通信をずっと使うのならいいのだが、生活の変化でほとんど使わなくなった場合に、プランを変更して料金を下げられる余地があるかも重要だ。
ahamoは1プランで選択肢がなし(ただし、irumoに変更するという手はある)。楽天モバイルも基本1プランだが、料金は段階制で月3GBまでなら1078円で収まる。LINEMOも月3GBまで990円の「ベストプラン」という手がある。MVNOの格安SIMもプランは多めに用意されている。
また、トータルコストという意味では加入時の特典も大きい。IJmioはスマートフォン購入時の大幅割引が用意されているほか、ahamoは加入時の初期費用が0円で加入条件によって2万ポイントもらえる、LINEMOも最大6ヵ月分の基本料相当のポイント還元などがある。
逆に日本通信SIMは50GBと大容量で、他サービスと比べても断然安い2178円だが、加入特典はほぼない。加入時の事務手数料でさえ安くする手段がなく、基本的に必ず3000円程度がかかってくる。トータルコストでは日本通信SIMが単純に安いとも言えなくなってくる。
そして、大事なのは通信品質
そして、カタログ数値ではわかりにくいのが通信品質だ。どの場所で快適に使えるか圏外になるかというサービスエリアや、場所や時間帯によって快適にデータ通信ができるかどうかといった問題だ。多少遅いだけならまだいいが、まったくデータが流れてこないケースもある。
大きな不満なく使いたいのなら、過去に自分が使って問題なかったネットワークから判断する方法もある。サービスエリアや利用者集中エリアでの速度低下はその人の行動パターンで違い、他人の事例が自分にあてはまらないことも多いからだ。
その点、やはり無難な選択なのは3大キャリアのサービスのahamo、UQ mobile、LINEMOの3つかもしれない。しかし、よりコスパよく使いたいのなら、自分の利用に合わせて、さらに他の要素も検討する必要がある。十分検討して選んでほしい。