山根博士の海外モバイル通信

この冬一番の注目スマホ、超薄型折りたたみの「心系天下W25」がサムスンから登場

文●山根康宏 編集●ASCII

2024年11月15日 12時00分

サムスンが高級ブランドで薄型折りたたみスマホを発売!

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薄型折りたたみが中国発売

 サムスン電子は2024年10月末、薄さと軽量化を実現した折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold Special Edition」を発表しました。販売は韓国だけですが、オンライン販売のみに制限されていることと、従来モデルより大型化されたディスプレーや、折りたたんでも10.6mmという薄さが受けて韓国では常に品切れ中です(Galaxy Z Fold Special Editonを最速レビュー! 厚さ10.6mmの薄型折りたたみスマホ)。

 このGalaxy Z Fold Special Editionの中国向けモデルとして心系天下ブランドの「W25」が11月6日に発表されました。心系天下は中国キャリアの中国電信とサムスンの協業による、プレミアムスマートフォンブランドですが、ここ数年は折りたたみモデルを投入。たとえば昨年は「Galaxy Z Fold5」をベースにした「W24」と、「Galaxy Z Flip5」をベースにした「W24 Flip」が発売されました(中国オンリーの高級折りたたみスマホ、サムスン「心系天下W24」に思わずウットリ)。

 しかし、2024年モデルとなる「W25」は今年発売の折りたたみモデル「Galaxy Z Fold6」ベースではなく、韓国登場のGalaxy Z Fold Special Editionの外観をカスタマイズしたモデルとなったのです。ちなみに、フリップモデルの「W25 Flip」は「Galaxy Z Flip6」をベースとしています。

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W25(左)とW25 Flip(右)

 11月10日に北京のショッピングモールにある家電量販店を訪れたのですが、やはりサイズが大幅に薄くなったW25の実機を見に来るお客さんが多く訪れていました。なお発売は11月15日からです。

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薄型のW25に注目が集まる

 W25はGalaxy Z Fold Special Edition同様に、折りたたんだ状態では10.6mmと薄くなっています。中国ではHONORの「Magic V3」が9.2mm、シャオミの「MIX Fold 4」が9.5mm、vivoの「Fold3」が10.2mmなので地元勢には負けるものの、Galaxy Z Fold6の12.1mmから比べるとかなり薄く、手に持った感じは普通のスマートフォンと変わりません。

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10.6mmは本当に薄い

 重量は255gで、Galaxy Z Fold Special Editionが236gとかなり軽量化されたのに対し、むしろGalaxy Z Fold6よりも重くなっています。これには理由があり、W25はプレミアムモデルなので、背面をガラス仕上げとして高級感を出すため、その分重量が増しているのです。実際に持ってみるとたしかに重量を感じますが、むしろ高級感としての印象のほうが強くなっています。

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背面はガラス仕上げだ

 ヒンジの動きもGalaxy Z Fold Special Edition同様にスムーズ、折り目もあまり目立ちません。なお、側面の仕上げがSpecial Editionとは変わっています。より高級感を持たせるためのデザインの変更なのでしょう。

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側面のデザインは変えている

 本体を開くと8型ディスプレーが現れます。W25シリーズの登場により、中国では横折りモデルとしてサイズ・機能の異なる「Glaxy Z Fold6」と「Samsung W25」の2種類、縦折りは機能が同じで外観だけを変えた「Galaxy Z Flip6」「W25 Flip」と、3バリエーション4機種の折りたたみモデルが販売されることになります。これは他国にはないバリエーションの多さです。

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開いた大きさはGalaxy Z Fold6よりやや大きい

 開いたときの厚みは4.9mmで、Magic V3の4.35mm、MIX Fold 4の4.6mmにだいぶ近づきます。

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5mmを切る薄さ

 サムスンの折りたたみスマートフォンは、中国市場でHONORとシャオミに加え、3つ折りモデルを出したファーウェイなどにユーザーを奪われつつありました。Wシリーズは高級ブランドとしての地位が確立しており、中国メーカー品と勝負できる大きさになっています。中国でこの冬、最も注目される折りたたみモデルになりそうです。

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北京首都国際空港にも巨大な広告が出ていた

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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