国内かけ放題は引き続き◎だが
問題はRakuten Linkが肥大化して、操作が面倒になっていること
楽天モバイルのもう1つのメリットと言えば、「Rakuten Link」アプリで国内通話がかけ放題という点。電話をかける機会が多い人にとっては大変ありがたく、他社ではかけ放題の定額通話オプションにお金がかかることを考えると料金で大きな差となる。
しかし、Rakuten Linkでの通話は、大手キャリア間のVoLTEのような高音質にはならないため、この点が気になる人もいるかもしない。さらに最近特に感じるのは、Rakuten Linkアプリの位置付けの変化だ。
かけ放題と引き換えになる部分があるのは仕方ないにせよ、Rakuten Linkアプリには楽天グループのサービスへの誘導があまりに多く、実際に通話発信するまでの手順が、ほかの通話アプリと比べて複雑。そして先日発表されたように、生成AI機能まで搭載するというのだから、アプリの肥大化が止まらない。
特に気になるのは着信時の通知だ。Rakuten Linkが発するお知らせが広告だった場合、ついつい通知をオフにしたくなる。しかし、Rakuten Linkの通知をオフにすると、かかってきた電話を知る術がなくなる。
そして、Rakuten Linkの通話定額を使っているにも関わらず、アプリ上では月1100円の追加オプションである「15分通話かけ放題」を執拗にプッシュしてくる。
iPhoneで折り返しで電話をする場合は、アプリを使わずとも定額、そして高音質通話になる「15分通話かけ放題」を契約すると便利。しかし、すでにRakuten Linkで通話をしている人にとっては今更だろう。疑問が残る。Rakuten Linkでの通話定額に期待をしすぎないほうがいいのかもしれない。
eSIMの乗っ取り問題は、SMS認証ありの対策で解決か?
一時期、eSIMで回線を乗っ取られる問題が話題となった。楽天モバイルでは、eSIM再発行が非常にしやすく、利便性は他社と比べて頭ひとつ抜けていたが、第三者に乗っ取られる可能性があったためか、SMSでの認証が必要になった。その結果、eSIMが入っているスマートフォンが故障中だったり、データ専用など、SMSを受信できない場合は、再発行に一手間かかるようになった。
なお、Webサイトの案内では「メールアドレスかSMS」となっているが、筆者の場合はSMSに送られる設定から変更できない。
最近の楽天モバイルなら
メイン回線として契約しても、大体OKなのではないか?
料金面で他社がさまざまな新プランを提供している中、楽天モバイルの優位点が薄れてきている。また、Rakuten Linkの肥大化問題もあって、以前ほどには楽天モバイルをオススメしにくくなっている。
それでも、月30GBを超えるような使い方では、楽天モバイルは料金面で有利。前述のRakuten Linkによる通話も操作の面倒さが気にならず、フル活用できるならメリットは大きい。そのほか、楽天経済圏でのポイントアップもじわじわと効いてくる。
ただ、こういった楽天モバイルのメリット・デメリットを把握せず、なんとなく楽天モバイルが良さそうだ、安そうだというイメージだけで選んでしまった人からは、「安いところはダメ」という印象が語られている部分があるのかもしれない。
それでも筆者としては、楽天モバイルは選択肢の1つとして「全然有り」で、メイン回線として問題なく使える人も多いと考えている。さらにサブ回線としてpovo2.0に代表される維持費が安価なサービスを契約しておけば、問題はほぼ解消する。
楽天モバイルはあらためてサービス内容をよく理解したうえで選んでほしい。