アップルが5年以上かけて自社開発している独自の5Gモデムが、来年発売予定のiPhone SE(第4世代)、iPhone 17 Air、そして低価格iPadに搭載されることになりそうだ。米メディアBloombergのMark Gurman記者が12月6日に報じた。
同氏によると、アップルの5Gモデムは理論上最大4Gbpsの5Gダウンロード速度を実現できる性能だという。これは現行のクアルコムのモデムと比べて遅いが、そもそも実際の通信速度は理論値よりはるかに遅くなるため、大きな問題にはならないとみられている。
また、アップルの5Gモデムは超高速5G規格のミリ波をサポートしないものの、デュアルSIMデュアルスタンバイ機能はサポートするとのことだ。
Gurman記者の話では、アップルはすでに世界中の数百人の従業員に新しいモデムを搭載したデバイスを密かに配布してテストを行っているという。
なお、この独自5GモデムはiPhone 17 Proなどのハイエンド機種にはいまのところ搭載されない見込みだ。電話やデータ通信の性能は極めて重要であり、クアルコムのモデムからの切り替えにはリスクが伴う。そのため、アップルは低価格な製品でのテストを通じてリスクを軽くしたい考えのようだ。
そのほかアップルの独自5Gモデムは、消費電力の低減、セルラーネットワークのスキャン性能の向上、衛星通信機能の強化など、クアルコムのモデムと比べていくつかの利点もあるという。
アップルは2018年から独自の5Gモデム開発に取り組んでおり、2027年までにクアルコムの技術を上回ることを目指しているとのことだ。