モトローラの折りたたみスマートフォン「motorola razr 50」シリーズの最上位モデル「motorola razr 50 ultra」が国内で発売された。
前モデル「motorola razr 40 ultra」のデザインを踏襲しながらも、背面のアウトディスプレーがより大型化され、カメラやAI関連機能を大幅に強化するなど一層のブラシュアップが進められている。実機からその実力を確認してみよう。
デザインは前機種のコンセプトを踏襲
まずは外観だが、開いた状態ではメインディスプレーが約6.9型で、サイズは約73.99×71.42×7.09mm。閉じた状態ではアウトディスプレーが約4.9型で、サイズは約73.99×88.09×15.32mm。重さは約189g。motorola razr 40 ultraと比べると、スペック上は重量、サイズともにほんの少し大きくなっているのだが、実際に手にした感じではほぼ変わらない。
デザインも基本的にはmotorola razr 40 ultraを踏襲しており、大きな違いはない。背面にヴィーガンレザーを採用している点も変わっていないが、モトローラロゴの部分だけやや加工を変えるなど、若干のデザイン変更が加えられている。
またヒンジは前機種と同様、本体を自由な角度で折り曲げて使えることから、モトローラとしてはその仕組みを活用したさまざまな使い方を提案している。具体的には、90度近くに曲げてメインディスプレーを2分割して活用する「ラップトップ」、“く”の字型に折り曲げてアウトディスプレーを活用する「スタンド」、そして折り曲げた状態でヒンジを上にして立てる「テント」の3つだ。
ラップトップのスタイルを有効活用するにはアプリ側の対応が求められるが、それ以外はサブディスプレーの活用が主体となることから、シーンに応じた活用もしやすいだろう。大画面のアウトディスプレーを備えたことにより、折りたたんでコンパクトになるだけでなく、多様なスタイルで利用できる点が縦折り型スマートフォンの新たな魅力となったことは間違いない。
なお、側面のインターフェースを確認すると、開いた状態で左側に音量キーと指紋センサー内蔵型の電源キー、左側面にSIMスロットを搭載しており、底面にUSB Type-C端子が備わっている。こちらも前機種同様、非常にシンプルにまとめられていることがわかる。
大きなアウトディスプレーは「Gemini Live」と相性良し
これら特徴の多くは、下位機種のmotorola razr 50と共通したものでもある。では、motorola razr 50 ultraは何が大きく違っているのかというと、1つはやはりアウトディスプレーの大きさだ。motorola razr 50のアウトディスプレーは3.6型と、motorola razr 40 ultraと同等のサイズまで大型化されているのだが、motorola razr 50 ultraはそれよりさらに大きい4.0型のアウトディスプレーを搭載している。
具体的には、motorola razr 50でヒンジ部分に相当する場所にまで、ディスプレーを広げることで大画面化を実現している。4型といえば黎明期のスマートフォンに匹敵する画面サイズだけに、実際に手にしても確かに画面が広いと感じる。
そしてrazrシリーズは、アウトディスプレーで専用のウィジェットを表示できるだけでなく、アプリのショートカットを設置することで直接アプリを動かすことも可能だ。アウトディスプレーが狭かった頃はそのメリットを活かしづらかったが、4型クラスにまで大きくなれば、そのメリットは計り知れない。
実際、motorola razr 50の兄弟モデル「motorola razr 50s」「motorola razr 50d」では、本体を閉じた状態で、「PayPay」や「d払い」といったスマートフォン決済を直接利用できる仕組みが整えられていた。それゆえmotorola razr 50 ultraも、アプリのショートカットを用意するだけで、本体を開くことなく決済などさまざまな用途に活用しやすくなっている。
中でも便利だと感じたのは、音声を活用したアプリだ。チャットなど文字入力を用いるアプリを利用するには画面が狭いが、音声関連のアプリは画面サイズを意識する必要がないので、同じAIチャットでも「Gemini Live」など会話型のアプリやサービスは利用しやすい。
直接的な競合となるサムスン電子の縦折り型スマートフォン「Galaxy Z Flip 6」は、現状別途アプリをインストールしない限り、アウトディスプレーではアプリを利用できない。それだけに、アウトディスプレーの有効活用という点ではmotorola razr 50 ultraの大きな優位性といえるだろう。