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モトローラの縦折りスマホ最高峰「motorola razr 50 ultra」は強化されたAIが楽しい (3/3)

文●佐野正弘 編集●ASCII

2024年12月22日 12時00分

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ついにFeliCa搭載も実現!
AI活用の新機能はいかに

 性能面を確認すると、motorola razr 50 ultraはチップセットにクアルコム製のハイエンド向けとなる「Snapdragon 8s Gen 3」を搭載しており、メモリーは12GB、ストレージは512GB。最上位モデルということもあって、最近のハイエンドスマートフォンらしい性能を備えていることが分かる。

 実際の実力はどの程度なのか。各種ベンチマークや主要ゲームで確認してみたところ、「Snapdragon 8 Gen 3」搭載機種と比べた場合、リアルタイムレイトレーシングには対応するがやや性能は落ちる。それでも「Snapdragon 8 Gen 2」搭載機種よりは高い性能を持つので、高度なゲーミングなどを求める人にも十分対応できる性能は備わっている。

「Geekbench 6」のCPUベンチマーク結果

「3DMark」(Wild Life Extreme)のベンチマーク結果

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「ウルトラHDR」まで、フレーム設定が「ウルトラ」まで上げることが可能

「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「中」。最高画質にしても快適にプレイはできるが、「Snapdragon 8 Gen 3」搭載機種よりやや性能は落ちるようだ

 また、昨今注目される生成AI関連機能にも力が入れられており、撮影した写真の絵柄から壁紙などを簡単に作成できる「スタイルシンク」や、入力したテキストの内容から画像を生成できる「マジックキャンバス」などの機能が利用できる。

 これらはいずれも「Moto」アプリから利用する形となっており、いずれもクラウドの生成AIを活用していることからネットワーク接続は必須だ。

 双方の機能ともに、画像の生成に要する時間は十数秒程度とそれほど時間はかからない。ただ、スタイルシンクは模様によって生成される壁紙の品質に大きなばらつきが生じやすい傾向にあるので、何度か試してベストなものを選ぶのがいいだろう。

「スタイルシンク」は撮影した写真の柄から、AIが自動で壁紙を生成する仕組み。まずは絨毯を撮影してみる

その後十数秒程度待つと壁紙の候補が現れる。画像のものは綺麗にまとまっているが、必ずしもそうとは限らないケースも何度か見られた

 また、マジックキャンバスは、現時点で日本語に一部非対応とされているが、実際に日本語でキーワードを入力してもその内容を解釈し、画像を生成してくれた。大まかな指示であれば現状でも日本語が使えるようだ。

「マジックキャンバス」はキーワードとスタイルを選ぶことで画像を生成してくれる機能だ

実際に生成された画像。日本語から画像が生成されていることがわかる

 それ以外の性能面を確認すると、バッテリーは4000mAhと、motorola razr 40 ultra(3800mAh)より増量されている。有線で45Wの急速充電、Qiで15Wのワイヤレス充電にも対応しているので、とても速いわけではないが十分な速度での充電が可能だ。

 もう1つ、特筆すべき大きな変化はついにFeliCa(おサイフケータイ)が搭載されたこと。オンラインショップ限定とはいえソフトバンクからも販売されることが影響したのかもしれないが、ついに上位モデルもFeliCaに対応したことで、メイン利用のスマートフォンとして安心して使えるようになった。

 最後に通信機能に関してだが、SIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM対応と、motorola razr 40 ultraから変わっていないが、5G向の4.5GHz帯(バンドn79)には非対応となっている点がマイナスポイントといえる。こちらもソフトバンクから販売されることが影響したと考えられるが、SIMフリーモデルをドコモ回線のSIMで使用する場合は注意が必要だ。

SIMは物理SIM(nanoSIM)×1とeSIMのデュアルSIM構成

【まとめ】正当進化だが下位モデルとの差は少なくなった

 まとめると、motorola razr 50 ultraは、razr 40シリーズで新しくなったrazrのスタイルを維持しながらも、カメラなど基本性能の強化、そしてアウトディスプレーの大画面化などによって着実な進化を遂げていることが分かる。それに加えて前モデルでは省かれていたFeliCaにも対応し、オンラインショップ限定ながら携帯大手の一角から販売されることも、購入しやすさという意味ではメリットに働くだろう。

 一方で、下位モデルのmotorola razr 50もディスプレーサイズが大型化したことで、消費者の目線からすると明確な違いが少なくなってしまったのも確か。それでいて価格はモトローラのオンラインショップで17万8800円と、motorola razr 40 ultraの発売当初の価格(15万5800円)と比べ2万円ほど上がってしまっているだけに、上位モデルを積極的に選びづらくなってしまったのがやや惜しいところだ。

  モトローラ「motorola razr 50 Ultra」
ディスプレー メイン:6.9型有機EL
(2640×1080ドット、165Hz)
サブ:4型有機EL
(1272×1080ドット、165Hz)
サイズ 開:約73.99×171.42×7.09mm
閉:約73.99×88.09×15.32mm
重量 約189g
CPU Snapdragon 8s Gen 3
内蔵メモリー 12GB
内蔵ストレージ 512GB
(ソフトバンク版は256GB)
外部メディア非対応
OS Android 14
カメラ画素数 50メガ(標準)+50メガ(望遠)
イン32メガ
バッテリー容量 4000mAh(45W対応)
5G n1/2/3/5/7/8/20/26/28/38/40/41
/66/71/75/77/78
FeliCa/NFC ○/○
防水・防塵 ○/×(IPX8)
生体認証 ○(指紋+顔)
SIM nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C
カラバリ ミッドナイトブルー、ホットピンク(IIJmio限定)

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