iPhoneの音声入力システムで「Racist」(差別主義者)と入力すると、一瞬、「Trump」(トランプ)と表示されるバグが発見された。2月25日頃から、複数の海外メディアが報じている。
報道によると、本件はTikTokに投稿された個人の動画がきっかけで判明。当該動画にはiPhoneの標準キーボード上で、前述の症状が発生する様子が映し出されている。
アップルは一部メディアの取材に対し、誤表示は2つの単語間の音声の重複が原因で、修正に取り組んでいると説明。一連の報道では子音の「R」を含む複数の単語で同様の問題が確認されており、アップルの見解には一定の信憑性があるとみてよいだろう。
1つ懸念があるとすれば、同社が誤表示を引き起こした根本的な原因(例:サーバー交換時に誤ってバグ修正前のソフトウェアをインストールしてしまった等)を明かしていないこと。結果として、本件では誤表示されたTrumpからトランプ大統領を連想し、アップルや同社従業員が政治的な意思表示として、わざとバグを仕込んだとする見方も出ている。
電話は人と人とをつなぐ道具。無用な分断を起こさないよう、アップルにはより詳細な説明が求められそうだ。