このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー

使ってみると便利な機能てんこ盛りだった最新「らくらくスマートフォン」 (2/2)

文●村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

2025年03月02日 12時00分

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ヘルスケア機能に自律神経測定が搭載も
測定に2分かかるのはやや長く感じた

 F-53Eには、従来モデルにはなかった新しいヘルスケア機能が搭載されています。自立神経パワー測定機能です。FCNTが、京都大学名誉教授 森谷敏夫氏の監修を受けて開発した機能で、2024年8月に発売された「arrows We2 Plus」に初搭載されました。

 同機能はプリインストールされている「ララしあコネクト」アプリから起動可能。背面カメラの下にある脈波センサーに人差し指を当てて、2分間じっとしていれば測定できます。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで調整されますが、そのバランスとパワー(状態)が測定されます。パワーは年齢で表示されるため、自分の実年齢よりも高いか低いかで、心身の状態をチェックできる仕組み。

背面カメラの下にあるセンサーに人差し指を当てて測定する

心身の状態によって測定結果は結構変わるので、毎日一喜一憂するかも。自律神経パワーを上げるためのアドバイスも読める

 実際に測定してみると2分間はやや長く感じました。テレビを観ながら、音楽を聴きながらなど、無理なく習慣づける工夫が必要でしょう。より精度の高い測定をするには4分間じっとしている必要があるそうで、初期設定が2分の「クイック測定」になっているので、切り替えないといけません。心身の状態によって、測定結果にかなり差が出るので、健康管理への意志が高まりそうです。

「高精度測定」に切り替えて、より精度の高い測定を行うことも可能

 「ララしあコネクト」には、ほかにも多くの健康管理機能が搭載されています。持ち歩くだけで歩数がカウントされ、心拍数を測定でき、睡眠をモニタリングすることも可能。血圧計で測定した血圧値をカメラで読み取って記録できる機能も備えています。

FCNTのスマホにプリインストールされている「ララしあコネクト」は多彩な機能を搭載し、健康管理に役立つ

迷惑電話対策に詳しい使い方ガイドと
シニアが安心して使える機能が充実

 らくらくスマートフォンは、安心・安全に使える機能が充実していることも特徴。たとえば「迷惑電話対策」をオンにしておけば、電話帳に登録されていない電話番号から着信した場合に、迷惑電話の可能性があることが表示され、応答すると通話が録音されます。相手には録音されることが伝えられるので警告にもなります。ドコモメールやSMSで迷惑メールの可能性があるメールを受信した場合に注意を促す「らくらく迷惑メール判定」機能も搭載されています。

「迷惑電話対策」をオンにすると、電話帳に登録していない番号から電話がかかってくると画面に右のように表示される。相手には通話を録音することは伝えられる。録音された音声は「迷惑メモリスト」に保存される

 操作に迷ったときに自分で調べられる「使い方ガイド」もプリセット。ツータップで電話をかけられる「らくらくホンセンター」の無料サポートも受けられます。らくらくスマートフォンの操作はわかりやすいが、一般的なスマホとは異なります。家族や友人がiPhoneなどほかのスマホを使っていて、使い方を聞いても「わからない」と言われた場合、これらの機能が頼りになるでしょう。

「使い方ガイド」の中には、画面の案内に従ってタップするだけで問題解決に導かれる「診断サポート」も用意されている

ホーム画面の「らくらくホンセンター」をタップして、「電話する」をタップすると、無料のサポートセンターにつながる。これも、らくらくスマートフォンの支持されるポイントだ

広角+超広角の2眼カメラで画質は期待以上!
OISやマクロ撮影にも対応しているイマドキな仕様

 アウトカメラは広角(約5030万画素/F値1.79)+超広角(約800万画素/F値2.2)の2眼。広角カメラは光学式手ブレ補正に対応。最大8倍のデジタルズームも搭載。超広角カメラはマクロ撮影にも対応しています。

 ライトユーザー向けのスマホなので、カメラの性能にはさほど期待していなかったのですが、思っていた以上に明るく鮮やかな色で写りました。夜景も手ブレすることなく、シャープな画質で撮影できました。気軽にスナップ撮影を楽しめそうです。

超広角で撮影

広角で撮影

8倍ズームでも、かなりクッキリと写る

暗い場所では自動で「夜景モード」に切り替わる。夜景モードは「スーパー夜景」「夜景」「イルミ」「花火」を選択可能

「スーパー夜景」にすると、暗くて肉眼では見えにくい部分まで写る

AIによるシーン認識機能があり、料理も美味しそうな色調で撮れる

 フロントカメラは約1610万画素。自撮りやビデオ通話も鮮明な画質で利用できます。

洗って消毒できて、耐落下も優秀で壊れにくい
SoCもスナドラ6 Gen 3で性能的にも実は十分

 らくらくスマートフォンはハードウェアの基本性能が低いという印象があるかもしれませんが、F-53Eは「Snapdragon 6 Gen 3」というミッドレンジ向けのチップセットを搭載。メモリーは4GB、ストレージは128GBと、電話やウェブ、メッセージを中心に使いライトユーザーには十分なスペックを備えています。

「Geekbench 6」というアプリでベンチマークを測定した結果。ミッドレンジの中では低めのスコアだが、普段使いには支障はない

 バッテリー容量は4000mAh。Qnova社と共同開発した独自技術によって、電池の劣化を抑え、4年使っても初期容量の80%を維持することを見込めます。

 防水(IPX5/8)・防塵(IP6X)に対応し、MIL規格の23項目に準拠する耐久性も備えています。さらに台所用洗剤や泡ハンドソープを使って丸洗いすることも可能ですし、アルコール除菌もできます。もちろん、おサイフケータイにも対応しています。

 「radiko+FM」アプリを搭載し、インターネットラジオが聴けるほか、有線イヤホンをアンテナにしてFMラジオを受信することも可能。災害時の情報源としても役立ちそうです。本体のスピーカーはステレオ。音質はまずまずといった印象ですが、音量はかなり大きくできました。

【まとめ】普通のスマホを使いこなせない人も試してみる価値アリ!

 らくらくスマートフォンは、そもそもガラケーの「らくらくホン」を使っていた人がスムーズに使いこなせるように設計されたスマホです。なので、他社の標準的なスマホから乗り換えると戸惑うかもしれません。しかし、標準的なスマホを使っていて、なかなかタッチ操作をマスターできないという人は試してみる価値はあるでしょう。

「らくらくスマートフォン F-53E」の主なスペック
ディスプレー 5.4型有機EL(FHD+)
サイズ 約71×151×9.3mm
重量 173g
CPU Snapdragon 6 Gen 3
メモリー 4GB
内蔵ストレージ 128GB
外部ストレージ microSDXC(最大1.5TB)
OS Android 14
無線LAN IEEE802.11ac
カメラ画素数 5030万画素(標準)
800万画素(超広角/マクロ)
イン:1610万画素
バッテリー容量 4000mAh
NFC/FeliCa ○/○
防水/防塵 ○/○(IP68)
生体認証 ○(顔、指紋)
SIM形状 nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C
イヤホン端子
カラバリ ピンク、ゴールド、ネイビー

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