OPPOは2月20日にシンガポールで新製品発表会を開催し、折りたたみスマートフォン「Find N5」を発表した。Find N5は開いたとき、閉じたとき、どちらの厚みも世界最薄サイズを誇るモデルだ。また、アップル製品との接続も考慮されており、MacBookのリモートデスクトップ機能にも対応している。

開いて4.21mm、閉じると8.93mmの最薄折りたたみモデル

　OPPO Find N5の基本スペックはチップセットがクアルコムのSnapdragon 8 Elite、バッテリーは5600mAhで80Wの急速充電（OPPO　SUPERVOOC）または13.5W充電（PD）に対応、ワイヤレスでは50W急速充電（OPPO AIRVOOC）に対応する。急速充電には専用の充電器が必要だ。

　閉じたときのディスプレーサイズは6.56型（2616×1140ドット）で、リフレッシュレートは最大120Hz駆動、最大輝度2450ニトとなる。アスペクト比は20.6 : 9であり、一般的なスマートフォンと同じ感覚で使うことができる。

閉じたときのディスプレーサイズは6.62型

　本体カラーはブラックとホワイトの2色がグローバルで展開される。カメラはハッセルブラッドと協業しており同社の「H」のロゴが誇らしげに刻印されている。広角5000万画素、3倍望遠5000万画素、超広角800万画素という組み合わせだ。

ハッセルブラッドカメラを搭載

　閉じたときの本体の厚さは8.93mmであり、Find N5登場時まで世界最薄モデルだったHONOR「Magic V3」の9.2mmよりさらに薄くなった。Find N5のようにディスプレーを内側に折り曲げる、通称“山折り式”のモデルとして9mmを切る製品は世界初であり、もちろんこの厚さは世界最薄だ。なお、側面には片側に3段のマナーモード切り替えスイッチ「Alert Slider」を内蔵する。

世界最薄8.93mmの厚さ

　本体の側面、エッジ部分は角を立てた形状になっている。HONORやファーウェイは角を丸めた形状であり、そのため両者の外観の印象はかなり異なる。Find N5はより精密感が増しているように感じられ、手に持ったときも角が手のひらに当たるためしっかりとホールドされる。

角ばったボディーは持ちやすい

　閉じた状態の本体のサイズを確認すると、約74.42×160.87×8.93mm、重量は229gとなる。他社の折りたたみスマートフォンと比べると縦サイズが若干長いが、そのぶんメインディスプレーも大型化した（後述）。最近の一般的なスマートフォンは薄さが8mm台前半のモデルが多いものの、Find N5をたたんだまま持ってみると、折りたたみスマートフォンであることを忘れてしまう。それほどまでにこの薄さと軽い重量は大きな魅力だ。

普通のスマートフォンと言われてもわからないサイズ

　本体を開くと8.16型（2248×2480ドット）のディスプレーが現れる。こちらも最大リフレッシュレートは120Hzで、輝度は最大2100ニトだ。フロントカメラは右上にパンチホール式の800万画素を内蔵している。折りたたみスマートフォンのディスプレーサイズは各社8型前後が多いが、8.16型は現時点で最大だ。

メインディスプレーは8.16型

　開いたときの本体サイズは146.58×160.87×4.21mmで、世界最薄となる。これまで世界最薄だったHONOR Magic V3は4.35mmであり、Find N5はそれより0.14mm薄くなった。カメラバンプのでっぱりは本体の厚み程度ある。

4.21mmも世界最薄だ

　開いた状態では背面側のディスプレーは常時消灯表示となる。なおカメラを起動してデュアルディスプレー表示にすると、内側のメインディスプレーと背面のアウトディスプレー両方にカメラのリアルタイムプレビュー画面を表示することができる。

開いた状態を背面から見る

　折りたたみスマートフォンで最も気になるのがディスプレーのヒンジ部分の折り目だろう。Find N5はヒンジ構造を従来比26％小型化しており、より小さな半径でディスプレーを曲げることができるようになった。折り目はまだ見えるものの、前モデルよりは見えにくくなっている。

ヒンジの折り目は目立たなくなってきた

ColorOSの大画面向けユーザーインターフェース

　Find N5はAndroid 15をベースにOPPO独自開発のUIを搭載した「ColorOS 15」を採用している。全般的にiOSによく似た動きをトレースしており、iPhoneユーザーからの乗り換えもほかのAndroidスマートフォンより違和感が少ないかもしれない。

　ハードウェアの使い勝手を見ると、ディスプレーは本体を曲げた状態でも使用可能で、本体を机の上に置いてインカメラを使ったビデオ会議なども便利にできる。ただし、ディスプレーの折り曲げ角度はヒンジで固定できるのは100度程度までで、それ以上まで開くと完全に開ききってしまう。

本体を曲げた状態でも使用できる

　設定画面から端末情報を確認。メインメモリーは16GB、ストレージは512GBを搭載する。メモリーはストレージから仮想的に最大16GBを増加可能だ。

端末情報画面

　ColorOS 15では分割画面表示も使いやすくなっている。アプリの分割表示では最大3画面を同時に表示可能。サムスンの折りたたみスマートフォンでは3つのアプリを「縦長1つ＋上下分割2つ」のように、画面内に3つを表示させていたが、OPPOは3つのアプリを横に並べ、常に2つだけを表示させ、1つだけはアプリ画面のサイドの一部だけを表示させる。その部分をタップすると、そのアプリを含んだ2画面が表示できる。3個のアプリをうまく切り替えできるわけだ。

3つのアプリの表示方法

　また、2つのアプリを表示した場合は、大画面＋別アプリのサイド表示のようにすることで、こちらもタップで簡単に2つのアプリを切り替えできる。さらにこのUIで3つ目のアプリを下部側にも表示可能だ。複数アプリの同時表示、分割表示ではすぐれたUIだと個人的に感じた。

2つのアプリも隠れているアプリのサイド側が見えるのでタップで簡単に切り替えできる