Infinixは、MWC Barcelona 2025の関連イベントでスマートフォンの新技術2つを発表した。1つはスマートフォンのデザインを簡単に変えることのできる「E-Color Shift 2.0」、もう1つは太陽電池でバッテリー駆動時間を延ばす「SolarEnergy-Reserving Technology」だ。
スマホの背面をワンタップでデザインチェンジ
Infinixは昨年1月にスマートフォンの背面にカラー電子ペーパーを用いて、簡単にデザインを変えることのできる技術「E-Color Shift」を発表し、ラスベガスで開催されたCES 2025で公表した(「iPhoneをBlackBerry化するキーボードケース! CES 2024でガッチリチェック」)。それから1年、今回発表したのはその上位技術となる「E-Color Shift 2.0」だ。
展示されていたモデルは、インドなどで販売中の「Zero 40 5G」をベースにしている。Zero 40 5GはMediaTek Dimensity 8200 Ultimateを採用するミドルハイモデル。
1億800万画素のメインカメラに5000万画素超広角カメラ、5000万画素フロントカメラを搭載する。インドでは5万円程度で販売されているモデルだ。このスマートフォンに今回のE-Color Shift 2.0が搭載されるどうかは未定だが、専用アプリが搭載され背面のデザインを変更できる。
アプリにはカスタマイズモードとAI認識モードの2つがある。カスタマイズモードではプリインストールされている6つのパターンと、6つのカラーバレットから、好みのものを選ぶとそのデザインに応じた色に背面を変えてくれる。一方のAI認識モードではスマートフォンのカメラで撮影した周囲の状況や、その日の天気に応じて独特のパターンを表示できる。
実際に背面のカラーを変更してみた。アプリで指定後、色が変わるまで数秒かかるが、その時間中も背面の色が変わっていく様が表示されるので「色の変わるスマホ」であることが視覚的にもよくわかる。
色を変える操作そのものを楽しむことができるのだ。いくつか色パターン変更などを試したが、このまますぐにでも発売できる技術のように感じられた。
太陽電池でスマホのバッテリー駆動時間を延ばす
SolarEnergy-Reserving Technologyは、最大2Wの太陽電池をAIを組み合わせ、スマートフォンの利用時間を延長することのできる技術。太陽電池でバッテリーを充電するというよりも、屋外や屋内で光のある場所で、その光エネルギーを太陽電池で電力化し、スマートフォン本体のバッテリーの利用時間を延ばすことが可能だ。
展示されていたのはスマートフォンの背面に太陽電池を埋め込んだものに加え、ケース側に太陽電池を搭載し、必要なときだけ光エネルギーを利用できるモデルも展示されていました。
ケースを外すと一般的なスマートフォンそのものの大きさになる。なおこちらのベースモデルは不明だ。
太陽電池ケースの内部の側面には2ピンの端子がある。一方スマートフォン側にも端子接触のための接点端子を備えている。両者はこの接点を介して電気を供給する。
実際に太陽電池発電を試してみた。テストした場所は若干暗い室内だったので、大きめのライトを背面にほぼ密着させて発電させてみると、画面上に充電中の表示が出た。なお「ワイヤレス充電」と表示されるのはワイヤレス充電用アンテナなど部材を共通化しているからだろう。
ライトを当てても充電できるので、災害時などに電源が供給できない時のスマートフォンの充電・給電用にも利用できるだろう。スマートフォンの背面はただの「板」にすぎないので、このような技術の商用化には大いに期待したい。