血圧は簡単に24時間モニタリングできる時代に
続いて、上海交通大学医学部附属瑞金医院の教授で、上海市高血圧研究所 所長の王継光氏が登壇。血圧測定の歴史について解説された。
1986年にイタリアの医師、リヴァロッチによって開発された血圧計は進化を続け、自分で測定できるようになった。王氏が務める上海の病院には自動診断室があり、自分で血圧を測定できるとのこと。また、家庭で計測できるコンパクトな血圧計の普及によって、いつでも計測できるようになった。
しかし、中国においては、まだ習慣的に血圧を測る人は少なく、日本も同じ状況。そこで、より便利に血圧を測定できるデバイスの登場に期待していたという。
そんな中、HUAWEI WATCH D、そしてHUAWEI WATCH D2が登場した。王氏は、とくに24時間の血圧モニタリングができるD2を革新的なデバイスと評価している。「従来、24時間のモニタリングには大きな機器が必要で、快適性に欠け、睡眠を妨げることにもなった」と言う。D2は医療界の課題を克服するデバイスになったようだ。

上海市高血圧研究所ではHUAWEI WATCH D、HUAWEI WATCH D2による測定データの正確さも確認。「コンパクトな血圧計としてカフレスタイプもあるが、正確性においてオススメできない」と王氏
王氏はウェブラルによる血圧測定のメリットとして、計測データが自動で保存され、それが分析されることを挙げた。また、安全に装着できるため、運動時の血圧を測定できることも利点だと言う。
日本のヘルスケアサービスでもHUAWEI WATCHを活用
法人向けのヘルスケアサービスを提供する、ヘルスケアテクノロジーズの代表取締役 鴻池大介氏もゲストとして登壇した。
同社は24時間365日、医療者のサポートが受けられるアプリ「HELPO」、そして人事・労務担当者向けに、健康診断データなどの管理を効率化する「Well-Gate」というクラウド型サービスを提供している。
その中で、従業員の健康管理には健康診断だけでは不十分と考え、血圧の測定やそのデータ活用などについて、ファーウェイと相談している段階だという。
スマートウォッチのゴルフ機能においてもファーウェイと提携しているテクノクラフトからは執行役員の小林のりこ氏が登壇。GPSを活用した健康管理システム「ウェルなび」が紹介された。
登録者のバイタルデータを一括管理できるもので、現在、HUAWEI WATCH 4、HUAWEI WATCH D2、そしてHUAWEI Band 8が利用されている。見守る側だけでなく、見守られる側もアプリで自分の健康状態を確認でき、医師もそのデータを活用でき、独自の健診メニューも作成できるのがメリットだと言う。
また小林氏によると、血圧を測定できるHUAWEI WATCH D2によって新たな可能性が広がったとのこと。認知症リスクの判定など、目的別の血圧データ活用が進んでいるようだ。
【まとめ】ウェアラブルは、もはやファーウェイの主力商品
最後に、ファーウェイ・ジャパンのプレジデント、ハ・レイ氏が登壇。あらためて、ファーウェイのウェアラブルデバイスの優位性を強調。「ウェアラブルの日本での普及率は、われわれの集計では5%未満。そんなに高くはなく、されど非常に便利なものなので、これからもよい製品を提供していきたい」と話した。
ただ製品を提供するだけでなく、パートナー企業と組んで「医療分野での事業も積極的に展開していきたい」とも語った。
日本でスマホを売らなくなって以降、ファーウェイの日本市場での目玉商品はスマートウォッチになった印象だ。スマートウォッチ市場はまだ発展途上にあるとは言え、多くのメーカーが参入するレッドオーシャンになっている。
そんな中で、唯一の血圧計機能を備え、最新モデルでは心電図機能も追加されたHUAWEI WATCH Dシリーズは、ヘルスケアウェアラブルデバイスの最高峰と言って差し支えないだろう。健康医療分野におけるファーウェイの意気込みを感じるイベントだった。