山根博士の海外モバイル通信

シャオミ「Xiaomi Smart Band 9 NFC版」で台北の地下鉄に乗車

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年05月12日 12時00分

 スマートウォッチを使って電車に乗れるタッチ決済乗車は便利ですが、基本的には日本以外では使えないこともあります。しかし、現地モデルを買えばタッチ決済乗車ができる国があります。

 それが台湾です。同国で販売しているシャオミの「Xiaomi Smart Band 9 NFC版」がタッチ決済乗車に対応し、外国人でも切符やスマートフォン不要でMRT(地下鉄)やバスに乗れます。

台湾販売のXiaomi Smart Band 9 NFC版

 Xiaomi Smart Band 9 NFC版は中国と台湾のみで販売されており、このうち中国モデルは中国の交通機関のみに対応。そして、台湾モデルは台湾の交通系ICカード「EasyCard」に対応しています。

台湾の交通系ICカードのEasyCard

 Xiaomi Smart Band 9 NFC版は台湾のシャオミストアで「Xiaomi 手環 9 NFC」の名前で販売されています。NFC非対応版もあるので、購入時は注意を。価格は2025年5月時点で999元、約4900円です。シャオミストアは台北のITビル「三創」や、101ビルそばに旗艦店があります。

左の「Xiaomi手環 9 NFC」を買うこと。右は日本と同じ非NFC版

 NFC版はタッチ決済乗車ができるかわりに欠点もあります。言語が英語と中国語(簡体字・繁体字)のみの対応ということです。ここは割り切るか、あるいは日本では日本用のXiaomi Smart Band 9を使い、台湾ではXiaom Smart Band 9 NFC版を使う、とするのがいいかもしれません。

日本語非対応なのが残念

 今回購入したNFC版は技適はありません。ちなみに台湾販売の非NFCモデルは日本と共通製品なので技適があります。

NFC版には技適がない

 さて、Xiaomi Smart Band 9 NFC版のスマートフォンとのペアリングは、アプリ「Mi Fitness」をインストールしてから、地域を中国台湾にしてデバイスを検索し、Xiaomi Smart Band 9 NFCを探します。ペアリングができたら、Mi Fitnessアプリの「デバイス」→「アプリ」→「カード」と進むとEasyCardが出てくるので追加します。

アプリは日本語に対応している

 Xiaom Smart Band 9 NFC版の画面からも、「更多」(その他)→「上下・来」をタップするとEasyCardがインストールされています。これで準備はOKです。

Band側は中国語でも何となく理解できるだろう

 あとはMRTの駅にあるEasyCardのチャージ機のカードを置くところに、Xiaom Smart Band 9 NFC版を置きます。置く向きは横でも大丈夫でした。クレジットカードが使えるチャージ機もありますが、EasyCardへのチャージは現金のみです。今回は100台湾ドルを現金でチャージしてみました。

EasyCardのチャージ機にBandをそのまま乗せる

この向きでも問題なかった

 チャージした後の金額や、乗車後の残高はMi Fitnessアプリ、Xiaom Smart Band 9 NFC版のEasyCardの画面で見ることができます。

Bandもアプリもどちらも100台湾ドルが追加された

 これでMRTやバスに乗れます。NFCなので日本のSuicaに比べるとちょっとタッチの反応は遅めなので、慌てず確実にタッチします。台北MRTをEasyCardで乗車した場合、乗車時には金額は引かれず、下車時に運賃全額が引かれます。万が一残金が足りなければ窓口で現金でXiaom Smart Band 9 NFC版にお金を入れれば改札を出られます。

IC Cardのところにタッチ

下車時に運賃が全額引かれる

 実際に使ってみるとかなり便利でした。EasyCardを財布から出す必要もありませんし、Xiaom Smart Band 9 NFC版そのものがスリムで軽量なので、腕にはめていても気になりません。台湾滞在中は「左手に普段使っているウェアラブル」そして「右手にXiaom Smart Band 9 NFC版」という組み合わせも十分アリです。

 台湾によく行く人には台湾版Xiaom Smart Band 9 NFC版の購入はオススメです。

台湾のリピーターにオススメしたい

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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