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超広角カメラ強化とAIで進化した「Xperia 1 VII」カメラを中心に実力をチェック (2/3)

文●佐野正弘 編集●ASCII

2025年05月13日 12時00分

暗所に強くなった超広角カメラでマクロ撮影も強化

 Xperia 1シリーズの最大のポイントとなるカメラを確認すると、Xperia VIIの背面カメラは約4800万画素/F値1.9の広角カメラと、約4800万画素/F値2.0の超広角カメラ、そして約1200万画素/F値2.3~3.5の望遠カメラの3眼構成。フロントカメラは約1200万画素/F値2.0の1眼構成となっている。

広角カメラで撮影した写真

超広角カメラで撮影した写真

望遠カメラ(85mm)で撮影した写真

望遠カメラ(170mm)で撮影した写真

 広角カメラはイメージセンサーに、暗所に非常に強い「Exmor T for mobile」を採用。望遠カメラも35mm換算で85~170mm、光学3.5~7.1倍相当の可変ズームが可能なものを採用しており、これらはXperia 1 VIと大きく変わっていない。だが、もう1つの超広角カメラは、大きく変化した。

 先にも触れたように、Xperia 1 VIIの超広角カメラは画素数が約4800万画素と、約1200万画素だったXperia 1 VIより画素数が大幅に向上しているし、イメージセンサーも1/1.56型のものを採用。Xperia 1 VIと比べ2.1倍の大型化が図られており、Exmor T for mobileを搭載する広角カメラ程ではないとはいえ、暗い場所をよりクリアに撮影できるようになったのだ。

広角カメラで夜景を撮影した写真

同じ場所から超広角カメラで夜景を撮影した写真

 実際に夜景や暗所での撮影を試してみたが、夜景モードを使わなくても超広角カメラでもかなり明るく撮影できている。拡大してよく見れば、広角カメラよりもややノイズがある感はあるのだが、それもよく目を凝らさなければ分からないレベル。暗いところでも広いシーンを撮影しやすくなったのはうれしい変更点だ。

より暗い場所で、広角カメラを用いて撮影した写真

同じ場所で超広角カメラを用いて撮影した写真。広角カメラとそん色ない品質での撮影ができていることが分かる

 Xperia 1 VIで大きな特徴の1つとなっていたマクロ撮影に関しても、望遠カメラによるテレマクロ撮影に加え、強化された超広角カメラでの近接撮影が新たに可能となっている。テレマクロ撮影は肉眼で見るのが難しい細部を写し出すのに対し、近接撮影は超広角であることを活かし、近距離の被写体を迫力あるアップで撮影できる。実際に使ってみると両者の性格はかなり違っているので、うまく使い分けて撮影するのがいいだろう。

超広角カメラによる近接撮影写真。体感で2~3cm程度の距離まで近づいて撮影することが可能だ

テレマクロ撮影による写真。こうして見ると両者の性格や利用シーンはかなり異なることが分かる

 動画に関しても新たな機能が2つ追加されており、1つは「AIカメラワーク」というもの。これはAI技術で被写体をトラッキングすることにより、被写体を常に中央に捉え続けたまま動画を撮影し続けられる機能。人物だけでなく動物なども追従しての撮影が可能だ。

 実際に試してみると、確かに一度指定した被写体を追従し、自動的に画面の中央に位置するよう調整してくれるので、撮影は非常にやりやすくなる。ただカメラの画角には限界もあり、被写体が画面から外れそうな時は指示が出ることから、手動でフレームを調整する必要がある。

 それゆえ被写体の動きがある程度予測できるシーンでは非常に活用しやすいのだが、動物のように動きが読めない被写体を撮影する際には限界もあり、サポート機能の1つと捉えて使った方が良さそうだ。

新機能の1つ「AIカメラワーク」を使うと、指定した被写体を追従し、画面中央に自動的に配置しながら動画を撮影できる。人物だけでなく動物などにも対応している


AIカメラワークを用いて撮影した動画(都合上、音声は削除しています)

 そしてもう1つは「オートフレーミング」で、こちらはAI技術によって被写体を自動的にクローズアップし、なおかつ“引き”と“寄り”の2つの映像を同時に記録できるもの。特に子供やペットなどを撮影している人などは、動く被写体を中央に収めるのが難しい、記念のため同時に複数の画角で撮影したい、と感じている人も多いだけに、こうした機能が大いに役立つのではないだろうか。

「オートフレーミング」は白枠部分に被写体を収めることで、自動的にその部分を別の動画として記録してくれる

 なお、Xperia 1 VIIのカメラアプリには、標準で「プロ動画」モードが追加されている。これはすでにXperia 1 VIにもアップデートで提供されているものだが、動画撮影にこだわる人にとってはメリットが大きいだろう。

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