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超広角カメラ強化とAIで進化した「Xperia 1 VII」カメラを中心に実力をチェック (3/3)

文●佐野正弘 編集●ASCII

2025年05月13日 12時00分

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有線オーディオ強化もゲーミング関連の強化はなし

 それ以外の性能を確認すると、チップセットにはクアルコムのハイエンド向けとなる最新の「Snapdragon 8 Elite」を搭載。RAMとストレージはモデルによって異なり、SIMフリーモデルの場合RAM12GBでストレージが256GBまたは512GB、RAM16GBでストレージが512GBの3種類が用意されている。

 発売前の端末ということもあってベンチマークの確認はできなかったことから、各種ゲームで確認してみると、ハイエンド向けチップセットを搭載しているだけあって充分快適にプレイできる性能を持つ。ただ、Xperia 1 VIIではゲーミング関連の新機能などはなく、ゲームに対する注力度が大きく落ちているのは残念だ。

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定は「クオリティ」が「ウルトラHDR」、「フレーム設定」が「ウルトラ」にまで上げることが可能

「原神」の画質設定はデフォルトで「高」と、現行のAndroidスマートフォンのハイエンドモデルと同等。プレイも快適にできる

 その一方で、Xperia 1 VIIで注力が進んだのがオーディオ。本体スピーカーの強化だけでなく、新たにWALKMANの技術を取り入れ、イヤホン端子に金を加えた高音質はんだを使用、有線イヤホン使用時の高音質化を図っているという。

 今回その実力を試すことはできなかったが、ワイヤレスイヤホン全盛の現在にあって、あえて有線イヤホンでの音質向上に注力する点からは、特定の機能に強くこだわる人に向けた機能・性能向上に注力したXperiaらしさを感じさせる。

 なお、バッテリーは5000mAhで、Xperia 1 VIと同様のディスプレーを用いていることもあってバッテリーの持続時間は2日持ちがうたわれている。また通信に関しては、nanoSIMとeSIMのデュアルSIM対応であり、SIMフリーモデルに関しては5Gのミリ波には非対応とのこと。

SIMスロットはnanoSIM×1で、背面がmicroSDのスロットとなる。microSDを搭載するハイエンドモデルもいまでは貴重だ

【まとめ】着実に進化もターゲットを狭めたことは気になる

 Xperia 1シリーズはXperia 1 VIで劇的な変化を遂げただけに、Xperia 1 VIIはそれを踏襲しながら機能・性能の向上に注力したといえ、変化点が多いわけではない。だが超広角カメラの強化などで競合に対するキャッチアップをしっかり進める一方、ワイヤレスイヤホン全盛の中にあって、あえて有線イヤホンの音質強化を図るなど、Xperiaらしい独自のこだわりを感じさせる施策も取り入れている点は好感が持てる。

 だが、従来注力していたゲーミングに関する機能強化がなく、その分ターゲットを狭めている点は非常に気になった。高額なハイエンドモデルは確実に購入してくれるファンを獲得・維持し続けることが重要になってきているだけに、そのターゲットをより絞り込んだことが販売にどの程度影響するかが、やや気がかりでもある。

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「Xperia 1 VII」の主なスペック
ディスプレー 6.5型(FHD+、120Hz、19.5:9
サイズ 約74×162×8.2mm
重量 197g
CPU Snapdragon 8 Elite
メモリー 12/16GB
内蔵ストレージ 256/512GB
外部ストレージ microSDXC(最大2TB)
OS Android 15
カメラ画素数 48MP超広角、48MP標準、12MP望遠
イン:12MP
バッテリー容量 5000mAh
防水/防塵 ○/○(IP68)
生体認証 ○(顔、指紋)
USB端子 Type-C
イヤホン端子
カラバリ スレートブラック、モスグリーン、オーキッドパープル

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