シャープは、ハイエンドのAndroidスマートフォン「AQUOS R10」をグローバルで発表。7月上旬以降、日本（国内キャリアではドコモとソフトバンク、SIMフリー）、台湾、シンガポール、インドネシアで順次販売を開始する。SIMフリー版の価格は256GBモデルが10万円前後、512GBモデルが11万円前後を予定している。

ディスプレーやスピーカーを高性能化で動画体験がアップ
カメラは新型センサー、SoCは冷却性能を強化

　ハイエンドとしては比較的お手頃、それでいて多くの人にとっては十分以上な性能にライカ監修のカメラ搭載と、評価が高かった前年モデルの「AQUOS R9」。AQUOS R10はこの路線を継承しつつ、さらに動画視聴体験などを強化したモデルとなる。

AQUOS R10が発表。カラバリは左からカシミヤホワイト、チャコールブラック、トレンチベージュ

　まず注目はディスプレー。ピーク輝度が3000ニトにまでアップした6.5型Pro IGZO OLED（1080×2340）を搭載する。R9でも1500ニトと大幅に向上したことがうたわれていたが（たとえばR8は400ニト）、さらに1.5倍にすることで、明暗部のコントラストが高まり、細部の質感までリアルに描き出すとする。

　また、音響においても新開発のBOXスピーカーを搭載し、Dolby Atomosの組み合わせでパワフルかつ広がりのあるステレオサウンドを再現。動画の視聴体験を高めたという。

　カメラについては、引き続きライカカメラ社監修で、標準カメラは1/1.55型／5030万画素とスペック自体は変わらないものの、新型センサーとなり、暗い場所のノイズを低減する画像処理と組み合わせ、夜景モードがさらに強化されたという。また、周囲の光をより正確に測定する14chスペクトルセンサーとの組み合わせで、調整が難しい、室内光でも自然な色合いの写真になるとのことだ。

　SoCはR9と同じSnapdragon 7+ Gen 3だが、ベイパーチャンバーとSoCの間に銅製のブロックを圧着した新構造を採用。より効率よく熱を発散する。デザインは、引き続き三宅一成氏の「miyake desing」が監修。カメラ部に自由曲線を採用するのも変わらない。

冷却性能はしっかり強化されている

　そのほかのスペックは、12GBメモリー、256または512GBストレージ、5030万画素＋超広角5030万画素カメラ（イン5030万画素）、5000mAhバッテリー、防水・防塵（IP68）、FeliCa、指紋＋顔認証（マスク対応）、Wi-Fi 7、Android 15など。

AQUOS wishも5へと正当進化
ユーザー層を意識して犯罪対策を強化、防水対応は「IPX9」に！

　6.6型の大画面で使いやすいエントリー機「AQUOS wish4」も「AQUOS wish5」へと進化。6月下旬以降に日本、台湾、シンガポールで順次発売する。国内ではドコモとY!mobileに加え、SIMフリー版が登場予定。SIMフリー版は3万円程度を予定している。

安価でも、耐久性を始めとしたしっかりとした性能に大画面もうれしいAQUOS wish5。カラバリは左からMISORA、NADESHIKO、WAKABA、YUKI、SUMI

　こちらも従来機をベースにした進化モデルだが、新機能としては「防犯アラート」がある。これは本体を振るだけで、事前登録した連絡先に自動で電話を掛けたり、SMSで位置情報を発信することでSOSを伝える。カバンに入れたままでも動作するという。また、AIを活用し、過去の特殊詐欺の事例に基づいた解析で不審な電話をブロックする「電話アシスタント機能」も用意されている。

　6.6型液晶は120Hzリフレッシュレートをサポート。輝度も向上し、より滑らか＆鮮やかな表示が可能に。MIL規格準拠の耐衝撃性能に加え、防水性能は一般的な防水対応スマホに多い「IPX8」を上回る「IPX9」をサポート。80度の高温、高圧の水流にも耐えられる性能を持つ。SoCもDimensity 6300を搭載することで、従来機種と比べてCPU性能が20％アップ。またメモリーは4GBだが、ストレージを用いた仮想メモリーでもう4GB拡張できる。

　こちらもmiyake design監修＆自由曲線のカメラ部を採用。カラバリは「MISORA（み空）」「NADESHIKO（撫子）」「WAKABA（若葉）」「YUKI（雪）」「SUMI（墨）」と日本を強くイメージした名称となっている。