格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す!

スマホ料金値上げが続く今だからこそMVNOの格安SIMにもう1度注目! 乗り換え時の注意点も (2/2)

文●正田拓也 編集● ASCII

2025年06月08日 12時00分

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MVNOの格安SIMというと速度が遅いイメージがあるが
今は極端な不便はない

 ただ、料金だけでは選べないのがMVNOの格安SIM。以前のように平日昼休みに実用にならないほどの速度低下はなくなったが、3大キャリアとそのサブブランド、オンライン専用プランではほとんど速度低下がない一方で、MVNOでは依然として混雑時の速度低下が見られるところもある。

 一方で、速度測定サイトだと数値の低下を示すものの、数年前のように動画がほとんど見られないというようなことはなくなった。あっても画質が多少低下するくらいで、スマートフォンの画面サイズでは気になって困るようなことはなくなっている。

 もちろん、MVNOの格安SIMといっても通信品質はさまざまだが、大手については以前ほど極端な違いはなくなってきたと言える。

MNPワンストップで便利になったと言っても
3大キャリアからの乗り換えには“罠”がある

 3大キャリアやそのサブブランドからの乗り換えの際に注意することがある。3大キャリアの場合、複数回線割引や光回線のセット割引などを利用している人も多いだろうが、この状態で転出しようとした場合、MNP予約番号の取得を必要としない「MNPワンストップ」では乗り換えができないことがある。

 その場合、サポートセンターに電話をかけてMNP予約番号を発行してもらうことになるが、それが問題を複雑化させることすらある。

 一旦停止させた手続きを、MNP予約番号を使って再開できるサービスもあるが、たとえばmineoの場合、一度MNPワンストップで進めてしまうと、エラーになったあとはMNP予約番号を取得しても、先に進めるができない。

 mineoのサポートによれば、最初の申し込みは放置し、あらためてMNP予約番号を使って手続きをすればいいとのことだが、ECサイトなどで安価に売られている加入パックを使った場合は、その権利が使用された状態になってしまう。その場合、数日後の自動キャンセルで権利が復活するのを待たなければならない。

 またこれはMNPワンストップの根本的な問題だが、ワンストップといいながら、実際には手続きの途中で元のキャリアのサイトに飛んで、各種の手続きをする必要がある。

 最近のドコモ「dアカウント」やau「au ID」ではセキュリティーが厳重なこともあって、なんらかの理由でうまくログインできなかった場合はそこで行き詰まる。

 つまり、MNPワンストップは、元のキャリアのサイトにもログインでき、セット契約などをしていない契約状態がシンプルな場合に限られる。不安なら最初からキャリアのサポートセンターに電話をして、MNP予約番号を発行してもらって乗り換えに挑んだほうが話が早いことも多い。

スマホ料金を節約するなら、MVNOを選択肢に加えたい

 3大キャリアや楽天モバイル、そしてMVNOの格安SIMには、単純な通信速度以外にも国際ローミングや衛星通信の利用など、サービスの違いがあるが、海外に行く予定はなく、国内の都市部メインで使っている人にとってはMVNOの格安SIMで困ることはあまりないはず。

 データ通信以外でも、通話料が安いのもMVNOの特徴。通話定額オプションを付けないと、3大キャリアとそのサブブランドは30秒あたり22円で横並びだが、MVNOの格安SIMでは30秒あたり11円と半額になっているサービスが多く、突発的に長電話をしてしまった場合に、請求額が大きく変わることがあるし、かけ放題の通話定額オプションも1200~1600円程度と安く利用できる。

 料金プランの値上げであらためてスマートフォンの料金について見直すのであれば、MVNOの格安SIMも選択肢に加えて検討してみてほしい。

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