グランツーリスモの山内Pに聞くシャオミとのコラボは「驚き」と「情熱」が紡ぐ新たなパートナーシップ (3/3)

文●スピーディー末岡 編集●ASCII

2025年06月10日 12時00分

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フィロソフィー(哲学)の共鳴と
2027年へのマイルストーン

 今回のコラボレーションの最も大きな目的は、ポリフォニー・デジタルとシャオミのフィロソフィーやスピリットが共鳴したことだと、山内氏は語ります。単なる互いの利益のためのものではなく、思想的な共鳴が重要だったのです。

 シャオミ側としては、まず自動車分野での能力や存在感を高めたいという目的があります。そして、グランツーリスモに収録されることで、ハイパフォーマンス車や最新テクノロジーに関心を持つコミュニティーとのエンゲージメントを高めたいという狙いもありました。

 Xiaomi SU7 Ultraは、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、家電まで含む「Human×Car×Home」エコシステムを完成させたシャオミにとって、非常に重要な意味を持つ車両です。グランツーリスモとのコラボレーションは「シャオミが最高の技術を使って自動車業界のテクノロジーをここまで実現できる」という、2027年の世界自動車市場参入を目指すうえでの、シャオミにとって重要なマイルストーンの1つであるとRen氏は語りました。

 シャオミは、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、家電、車といったさまざまなデバイスが、すべて同じOS、同じAIで動くというユニークなビジョンを持っています。山内氏は「これはテスラ、アップル、グーグルといったほかの大手Tech企業でもまだ実現できていないことであり、そういった困難なことを実現しようとしているシャオミは、これまでの自動車業界の常識では考えられない可能性を秘めている」と語り、今後のコラボレーションの発展に期待を示しました。

 なお、スマートフォンなどとGT7のコラボはあるのかと訪ねましたが「今回は自動車だけのパートナーシップ」としたうえで「シャオミはとてもユニークに企業。今後、コラボ拡大もありかも」と、先が楽しみな回答が返ってきました。シャオミスマホのGTコラボバージョンなんて出たら、絶対買ってしまいそうです。

【まとめ】単なる車両が追加されただけではない
シャオミにとってもGTにとっても未来への第一歩

 今回のシャオミとグランツーリスモのパートナーシップは、単なるゲームへの車両追加に留まらず、両社のフィロソフィーと技術への情熱が共鳴した結果であり、シャオミが目指す未来への重要な一歩となるようです。また、同社のスマホから車までを連携させる独自のビジョンは、これまでの自動車業界の常識を超える可能性を秘めています

 そしてゲームの世界ではXiaomi SU7 Ultraがどのような走りを見せるのか、そして両社の今後の協力関係がどのように発展していくのか、大きな注目が集まることでしょう。

 実装されたらXiaomi SU7 Ultraのワンメイクレースやタイムアタックなんかをやってみたいですね!

GTワールドシリーズ2025第1戦の結果

 GTワールドシリーズ2025の開幕戦では、世界中から勝ち抜いてきた12名が争うネイションズカップと、日本人12人がメーカー別のクルマを操って勝敗を競うマニュファクチャラーズカップの2レースが開催されました。ダイジェストでレポートします。

 まず最初にマニュファクチャラーズカップが開催。2回の予選(ノックアウト方式)を経て、決勝グリッドが決まります。コースはTokyo Expressway 南コース。決勝ではポールを獲ったBMWのS.SUZUKI選手と、フロントローのスバル・T.MIYAZONO選手がスタートから一歩抜きんでた速さを見せ、20周のレースも終盤にさしかかったところ、虎視眈々と背後でチャンスをうかがっていたMIYAZONO選手がしかけ、見事にオーバーテイク。逆転優勝を飾りました。2位には僅差でSUZUKI選手、3位には6番手スタートながら追い上げたマツダのR.KOKUBUN選手が入りました。

 次は世界中の強豪が戦うネイションズカップ。予選方法は少し変わっていて、まずはタイムアタック、その結果がグリッド順になり5周のスプリントレース。さらにこの結果が決勝のグリッド順になりました。決勝レースは30周、マシンは「Red Bull X2019 Competition」のワンメイクです。長いのでタイヤチョイスとピットに入るタイミングが鍵になるレースでした。

予選方法

 予選から速さを見せていたスペインのJ.SERRANO選手とP.URRA選手が、決勝でもワンツーでスタート。ミディアムタイヤで走り始め、レースの折り返し付近ではさすがにタイヤのグリップが落ちてきてペースダウン。何度か抜かれましたが、残り10周の段階でスペインの両選手はピットイン。ソフトタイヤで勝負をしかけます。ほかの選手よりピットインを引っ張ったため、フレッシュタイヤの利を活かして25周目に再びワンツー体制で、そのままチェッカー。スペイン勢の速さが目立ったレースでした。

 どれもハイレベルなレースで、普通のレース観戦と同じくらい熱くなってしまいました。機会があればぜひ観戦してみてください!

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