2. ほぼMac、なiPadOS 26の新UIは、誰のため?
今回の発表の最後に持ってきたのがiPadOS 26。目玉は、画面表示の仕組みを抜本的に変更した点です。
簡単に言えば、ほぼMacのようになった、ということ。
具体的には、
- iPad miniや無印のiPadでも、複数のウインドウを開くことができる仕組みを取り入れ、
- 動画の書き出しやファイルのダウンロードなどのバックグラウンド処理に対応し、
- 画面上部にメニューバーが利用できるようになった、
という主要3点の改善で、Macのような操作性を手に入れることができました。
じゃあiPadじゃなくてMacで良いじゃない?
あるいはMacじゃなくてiPadで良いじゃない?
という声が聞かれそうですが、そう単純な話でもありません。iPadOSにフォーカスすると、iPadがパソコン的に利用できるようになることの意味が大きいと言えます。
たとえば日本の小学校・中学校を見てみると、GIGAスクールで1人1台持つデバイスの1/3がiPadです。また日本の高校では、1人1台導入校の半数近くがiPadで占められます。
しかし教育のDXや、デジタル教育の高度化が進むにつれて、パソコンへの転換の検討が進んでいる現状もあり、高価なMacより、Windows PCが選ばれる可能性が高まります。
これは海外の学校では既に起きている変化です。初等教育ほどiPad率が高く、先進国の平均を試算すると小学校で40%、中学校で30%、高校で25%と、デジタルによる職業訓練や活用の高度化でiPad比率が下がる傾向にあります。
そこで、既存のiPadを、パソコンのように扱える存在とすることで、教育市場におけるiPadのシェアを維持しようとしているように見えます。
こうすることで、将来に長くiPadプラットフォームに留まり続けてくれる学生を増やしつつ、より高度なことがしたい人にMacを進めやすくする狙いが見え隠れします。