3. 通話やメッセージのApple Intelligence新機能

Apple Intelligenceの機能として、大規模言語モデルと音声認識を組み合わせた、通話のAIアシスタント機能を追加している。また電話アプリに、メッセージアプリのようなトップページも追加された(筆者撮影)
Apple Intelligenceについては、今回のWWDC25の基調講演でも、中心的な存在として扱われています。
その説明の冒頭で、昨年アナウンスし、今回のWWDC25まで実現に至らなかった、「パーソナライズされたSiri」について、Appleの品質に達するまで、もう1年かかるとの見通しを示しました。
昨年のWWDC24では、Apple Intelligenceにおいて他社に比べた際の強みとして、デモ映像で披露していた機能だっただけに、その開発の遅れに対して批判が集まっていました。
公式にAppleとして遅れを認め、リリースの時期を改めて示したことから、WWDC27とその際に発表されるOSでの実装が次のターゲットとなります。
ネガティブな要素も含みつつ、それでもApple IntelligenceでiPhone/iPadの新機能が構成されており、今後しばらくは、AI機能の充実が主題となって行くことになります。
今回は、大規模言語モデルと、iPhoneのコミュニケーション機能の組み合わせによる機能拡充が目立ちました。
たとえば、かかってきた電話が知らない番号だった場合、名乗って用件を言うまでは着信音を鳴らさないようにする迷惑電話を避ける機能や、オペレータートのやり取りの際に保留音で待たされる際に、電話から離れて別のことをし、オペレーターが戻ってきたら音を鳴らして知らせる機能など。
電話にまつわる「面倒な瞬間」をAIのアシストによって解消してくれる機能が披露されました。もっとも、このあたりの実装はGoogleやサムスンが既に実現してはいるのですが。
またメッセージアプリでは、日程調整や行き先の相談などを検出すると、自動的に投票機能を提案するなど、こちらもコミュニケーション上の面倒くささを解消する機能が追加されています。
これもApple的なAIの戦い方が垣間見られる機能と言えます。漠然として優秀なAIモデルを提供したり、単独の機能を強調するのではなく、iPhoneを使う中での不便さや、生活の中での問題解決に、AIを活用するアイデアを組み合わせるアプローチです。