アップルがWWDC 25で発表した「iOS 26」では、車載システムとの連携機能である「CarPlay」の機能も大きく強化されました。先行して2025年5月に米国で発表された上位サービスの「CarPlay Ultra」と合わせて、WWDCのイベント会場で新しいCarPlayを体験したレポートをお届けします。
WWDC会場で新しいCarPlayのサービスを体験!
今回、筆者はBMW X3シリーズとAston Martin(アストンマーティン)の車両に試乗して、新しいCarPlayを体験しました。残念ながら車両やCarPlayの画面を写真に撮ることができなかったので、レポートのテキストと公式画像で詳しい情報と筆者が体験を通じて得た感動を伝えたいと思います。
自動車には、iPhoneをケーブルで接続するか、一部の対応車種ではBluetoothとWi-Fiを使ってワイヤレス接続ができます。接続が完了すると、車のインフォテインメントシステムに最適化されたiOSのインターフェースが表示されます。
iOS 26ではデザインが新しい「Liquid Glass(リキッドガラス)」に変わります。伴ってリキッドガラスのデザインがCarPlayにも拡張されます。アプリアイコンの立体感、BMW X3では画面の左側に表示されるステータスバーの透過表示など、視認性を高める工夫もなされています。
再設計されたアプリのタブバーは、コンテンツの上にレイヤーを重ねるようにフローティング表示になります。スクロールに応じて動的に縮小・拡大する視覚効果も、iOS 26のデザインコンセプトと一致しています。CarPlayでは従来からあるライト/ダークモードに加えて、初めてクリアモードが導入されます。
ただ、車内でアイコンを見たり・触れたりする場合には従来通りの色分けされたライト/ダークモードの方が好まれるかもしれません。iPhoneはクリアモード、CarPlay接続時はダッシュボードの表示がライトモードに自動的に切り替わるように設定することもできます。
そして、リキッドガラスデザインへのアップデートについては、iPhoneをiOS 26にアップデートすると、伴って自動的にCarPlayの表示も置き換わります。自動車メーカー側が何かソフトウェアの最適化のような追加対応を迫られることはありません。
iOS 26の新機能の数々がドライブしながら楽しめる
新しいiOS 26のCarPlayは、運転中の操作性向上を徹底追求しています。ダッシュボードのパネルに触れてアイコン等を操作することもできますが、Siriを介した声による操作にも対応します。
iOS 26のSiriはApple Intelligenceにも対応するので、必然的にCarPlayの機能とも連携します。たとえば運転中に届いたメッセージの内容をSiriに頼んで要約して教えてもらったり、ポッドキャストを聴いて知った話題について、Siriと連携するChatGPTにより深掘りした情報を教えてもらうことなども可能です。
従来のCarPlayは電話アプリに着信があると、アプリが全画面表示になりました。iOS 26では着信表示が横長でコンパクトなポップアップになり、リキッドガラスデザインの半透過を採用しています。マップナビゲーションなどの重要な表示に覆い被さることがなく、全体に視認性がアップしていました。
メッセージアプリではiPhoneやApple Watchのように「タップバック」が使えます。運転中に届いたメッセージに、タップバックを使って簡単な応答を早く返すことができます。
そして、iOS 26のウィジェットやライブアクティビティも使えます。BMW X3の場合は、画面を縦に割った右側1/3ほどの領域を使ってライブアクティビティが表示されていました。左側2/3にマップを表示しつつ、右側ではiPhoneにインストールした航空機の追跡アプリの更新される情報をチェックするといった使い方を体験しました。
ドライブ移動中に応援するスポーツチームのスコアをライブアクティビティで追いかけたり、安全運転も考慮に入れた便利な活用提案がこれから次々に生まれそうです。
iOS 26のCarPlayではApple Musicアプリの画面表示もスマートです。最近再生した楽曲、オススメの音楽などのカバーアート表示がコンパクトに見やすくなっていました。お気に入りの楽曲やアーティスト、アルバムを 「ピン留め」して、アクセス経路をショートカットできる機能も加わっています。