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縦折りとも横折りとも言いがたい新たな折りたたみスマホ「HUAWEI Pura X」はサイズ感良し (1/2)

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年07月06日 12時00分

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 ファーウェイの「Pura X」は折りたたみ型スマートフォンだ。そのサイズ感は現在販売されている横折式=フォルダブル型、縦折式=フリップ式のどちらにも属さない、まったく新しい形状となっている。折りたたみ型スマートフォンの第三の形状と言えるPura Xを使ってみた。

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HUAWEI Pura X

閉じると3.5型、開くと6.3型ディスプレーが使える

 Pura Xは一見すると縦折式のスマートフォンによく似たサイズ感の製品だ。本体を閉じたときのアウトディスプレーサイズは3.5型(980×980ドット)となっている。ちなみにファーウェイはこれまで「Pocket」シリーズ及び「nova Flip」という縦折り式モデルを出してきたが、アプリが動く大型のアウトディスプレーを搭載するモデルはこのPura Xが初めてだ。

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3.5型アウトディスプレーを搭載

 この状態の本体サイズは約91.7×74.3×15.1mm。重量は写真のレザー調版が193.7g、あとで紹介するガラス版が195.9gとなる。縦折式モデルの閉じた状態と比べると若干大きく、重量もやや重いものの、握ってみるとこのサイズは手のひらへの納まりもよく、意外と手になじむ大きさだと感じられる。

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縦折型モデルとしては若干重い

 ヒンジ部分の隙間はなく、ぴたりと閉じることができる。本体下部にはUSB Type-C端子とSIMカードスロットが並ぶ。なお、デュアルSIMカード対応だがeSIMには非対応。Pura Xは2025年6月末時点で中国国内でしか販売されておらず、中国では他社も含めeSIM対応のスマートフォンは基本的に販売されていない。

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閉じたときの厚さは15.1mm

 本体を開くと6.3型(2120×1320ドット)のディスプレーが現れる。サイズだけを見ると一般的なスマートフォンとしては小ぶりに感じるが、アスペクト比が約16:10であり、使い勝手は横折式の折りたたみスマートフォンに近くなる。開いた状態では横方向のサイズ感が一般的なスマートフォンよりかなり広いのだ。

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開くと横ワイドな6.3型ディスプレーが現われる

 開いた状態のサイズは約143.2×91.7×7.15mm。市販されているどのスマートフォンとも異なるサイズ感であることがわかる。また、このレザー調仕上げのカラーは閉じたときの裏側面に3パターンのカラーを配置することでデザイン性も高めている。外観も楽しく仕上げることができるのがPura Xのサイズ感の利点でもあるのだ。

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ほかには見ないサイズ感

 開いたときの厚みは、一般的なスマートフォンより薄い。折りたたみスマートフォンとしては最近の薄型化モデルが多い中、逆にやや厚みがある。とはいえ、持ちにくいとか使いにくいと感じられることはなく、十分許容できる厚さだ。

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開くと7.15mm厚となる

サイズ以上に快適なディスプレーの使い勝手

 チップセットは非公開で、通信方式も非公開だ。調査会社の調べなどではファーウェイ子会社ハイシリコン(HiSilicon)のKirin 9020と言われている。7nmプロセスの数世代前のチップセットだが、全体的なパフォーマンスに不満を感じることはなかった。

 また、通信モデムは5Gの電波を掴むようであり、事実上5G対応モデルである。OSはAndroidのソースコードを使用しない、ファーウェイ独自開発の「HarmonyOS NEXT」を搭載。OSバージョンはHarmonyOS 5.0である。

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HarmonyOS NEXTを採用している

 本体を閉じた状態ではアプリを動かすことが可能だ。ディスプレーサイズは正方形だが、3.5型であるためSNS、地図、検索などアプリの表示サイズも実用レベルと言える。基本的には内蔵アプリがすべて動作するとのことである。

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アウトディスプレーでアプリを動かせる

 アプリフォルダも配置できるなど、アウトディスプレーでもメインディスプレーと同じUIでの操作が可能だ。

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UIはメインディスプレーと同等

 縦折式スマートフォン同様、閉じたままでもメインカメラが使えるのは便利だ。なおカメラはトリプル仕様で、5000万画素広角、4000万画素超広角、800万画素3.5倍望遠となっている。ファーウェイのPuraシリーズはカメラ強化モデルだが、Pura Xも同じシリーズに属する製品だけあってカメラ性能はなかなか良い。

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閉じたままカメラを使う

 本体を若干開き、そのままカメラを使うモードも利用可能だ。この辺りの使い勝手は縦折式スマートフォンと同等である。

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いわゆる「テントモード」でカメラを使う

 本体を開いたときのディスプレーの使い勝手はかなり快適だと感じられた。横ワイドサイズなので、表示できる情報量が広いのだ。縦折式スマートフォンで感じる横幅の狭さはなく、また横折式スマートフォンのようにサイズが大きすぎることもない。

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6.3型ディスプレーは快適に使える

 横向きにすると、16:10のアスペクト比のため動画や写真の表示にも最適だ。電子コミックや電子書籍の閲覧も縦向きでラクにできる。コンテンツ再生において、このディスプレーアスペクト比は縦でも横でも十分使い物になる。

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写真や動画の表示も十分

 2つのアプリの同時利用はかなり実用的だ。上下に2つのアプリを表示すると、一般的なスマートフォンの表示を2つ並べたようなサイズになる。本体サイズが小ぶりであるにも関わらず、デュアルウィンドウが使いやすいのだ。

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上下に2つのアプリを表示

 左右に2つのアプリを表示するのも、若干縦長サイズとなりこちらも使い勝手は悪くない。なにやらほめてばかりいるのだが、Pura Xを使い始めると「ディスプレーの大きさがとにかく使いやすい」と実感するのだ。

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左右の分割表示

 ほめてばかりのPura Xだが、ヒンジは角度をあまり自由な位置に止めることはできず、開く、閉じる、90度程度で止める、といった形状で使うことになる。より自由な角度で止めることができればさらに便利に使えそうだが、そこまで求めるものでもないだろう。

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ディスプレーの角度の自由度はあまり広くない

 L字型でカメラを起動すると専用のUIとなる、いわゆるフレックスモードにも対応。折りたたみスマートフォンとしてこの機能は必須である。

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フレックスモードでカメラを起動

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