この連載で頻繁に登場する「保護猫シェルターqueue」である。queueはクーと読む。オープンしたのは2018年10月で、たまたま近くを通りがかった私が訪れたのがその数ヵ月後。以来、常連さんになってしまって、新しいカメラやスマホを手にするたびに必ず猫を撮りに行ってしまうのである。
猫カフェではなく、「オープン型保護猫シェルター」、つまり保護を必要とする猫を受け入れ、その場をオープンにすることで、家で飼いたいという人がいれば里親になってもらえるし、猫好きの人は猫と戯れに気軽に顔を出すことで、入場料というカタチで運営に協力できるし、猫たちも人に馴れることができる、得がたい空間なのだ。
そういう場所なので子猫から大人の猫までいるし、良い里親が見つかれば卒業しちゃうし、人なつこい猫からまったく人に馴れない猫まで、さまざまな性格のさまざまな猫たちが暮らしているので、行くたびに新鮮なのである。
カメラの猫撮影の性能を見るにはもってこいだし、猫撮影の腕を鍛える場所としても最高、というわけでqueueで撮ったネコ写真が大量にあるので、今回は2025年も半分の終わってしまった記念(はやすぎる!)、この半年で撮ったqueueの猫たちをお蔵出しである。
ここにいるのは保護された猫だけなので、たいていはミックスなのだが、2月に遊びにいったとき出迎えてくれたのがなんと「ベンガル」。清く正しいベンガル種らしい。
尋ねると、この猫を飼っていた方が亡くなってしまい、残された親族も猫は飼えないってことで、保護されたんだそうな。このベンガル、すごく人なつこいので、里親候補がいっぱい出そうだなと思っていたのだが、案の定、数ヵ月で希望者が現れ、トライアル期間ののちに引き取られていったのだった。よろこばしいことである。中にはなかなか人に馴れない猫もいるからね。
カメラを向けると一回だけシャアッと威嚇するので思わず1枚。
不用意に近づいてはいけないのだ。でも、撫でられるのは好きなようで、このように「孫の手」でぼりぼりと掻いてやると、気持ちよさそうにされるがままになるのである。
逆に人なつこい猫は平気でおなかを見せてくれたり、気がつくとすぐ横にちょこんと座ってたりしてよい。このように近距離で片手でさっと撮るにはコンパクトデジカメやスマートフォンが似合う。
高速AFと高速連写がウリのカメラを手にすると、動きの瞬間を撮りたくなる。逆にいえば、AF性能をウリにしているカメラの性能チェックにはもってこいだ。実際、メーカーによる差はある。
冒頭写真はNikon Z5II。高速AF+高速連写のチェックだと、オモチャで遊んでる猫を狙って撮った1枚。オモチャを追いかけてダッシュする瞬間だ。
こちらは左手で遊びながら右手で撮った1枚だ。
たまに、めんどくさそうな顔をされるけど、それはそれでしょうがないのである。猫だから。
ヤバいのは、他の猫に攻撃しちゃう要注意猫。猫にもいろいろあるわけで、新しい猫と折り合いが悪いやつもいる。ほかの猫にちょっかいを出すのである。
相手が怒ってすごすごと引き下がって終わることもあるけれども、相手が強気だと喧嘩がはじまるのだ。これなんか、黒の子猫が完全に臨戦態勢にはいってしまった。
このときは大喧嘩になって大騒ぎ。スタッフの人に捕まえられて興奮がおさまるまでケージに一時隔離されるはめになったのだった。ちなみにこの黒猫も無事里親が見つかって何よりである。
保護される猫って本当に性格も年齢もさまざまなので、運営している人も大変だと思う。でも里親になりたい人、猫を飼いたい人にとってみれば、何度も足を運んで一緒に暮らしたい猫をじっくり選べるという良い場所なのである。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/








































