山根博士の海外モバイル通信

nubiaのスマホがレトロカメラになるフォトグラファーキットが楽しくて便利

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年07月28日 12時00分

 日本でもカメラスマートフォンを展開しているZTE傘下のnubia。最新モデル「nubia Z70S Ultra」がつい先日発売になりましたが、可変絞りをカメラに搭載する「nubia Z70 Ultra」と合わせ、メインカメラ画角が35mmという点が特徴的なスマートフォンになっています。

 この両モデルは本体サイズが同等で、中国では外観をカメラ風にするキットが販売されています。しかもこのキット、単なるカバーではなく、パーツを組み合わせるモジュール感あふれる製品なのです。

パーツの多さが特徴だ

他社のフォトキットとは一線を画す構造

 シャオミなどのフォトグラフィーキットはカバー+グリップという構造。一方、nubia Z70 Ultraシリーズ用のものは中国のカメラアクセサリメーカー「Fotorgear」のもので、複数のパーツでさまざまな形態を楽しめます。まずは基本の組み合わせから。使うのはこの3つのパーツです。

複数形態が楽しめる

 どの形態でも最初に本体にカバーを取り付けます。内側を見るとMagSafe互換のマグネットがあるのが便利。

カバーにはMagSafe互換マグネットがある

 カバーの取り付けは簡単です。というのも、このカバーは本体の上下部分を覆うだけだからです。そのため、このカバーを取り付けただけでは完成しません。

カバーは本体上下部分にかぶせて装着

 そして本体上下、2つのアタッチメントをはめ込みます。

2つのバー状アタッチメントがポイントだ

 するとどうでしょう! 見た目がクラシカルなカメラフォンへと変形します。ここでポイントなのは、上下にアタッチメントを取り付けたことで、本体の縦の幅が広がること。より幅広な本体になったことで、外観はカメラらしさが増すわけです。

 スマートフォンにカバーを付けた他社のフォトグラフィーキットと比べると、カメラ感という点ではnubiaのほうがより「らしく」見えます。

クラシックなカメラ風になった

 そして上部のアタッチメントには付属のコールドシューのパーツを取り付け可能。ここにライトなどアクセサリーを搭載できるのです。

コールドシューは別パーツを取り付ける

 そしてここからさらに、nubia Z70 Ultraシリーズをカメラに変形させることができるのです。上部アタッチメントの上に、もう1つのボタンなどのあるアタッチメントを重ねて取り付けることができます。

上部にもう1段アタッチメントを取り付ける

 するとシャッターボタンや調整ダイヤルを備えたカメラになるわけです。中にスマートフォンが入っているとは思えないほど高い完成度ですね。なお、カメラ部分は広角部分がカメラ風、望遠と超広角カメラの部分も穴が開いておりこのまま使うことができます。

もはや完全にカメラだ

 この最上部に付けたアタッチメントはNeo Barというアプリでコントロール可能。装着すると自動的にインストールされるようでした。なお、nubia本体とはBluetoothで接続されます。シャッターボタン、シャッターボタン下のレバー、右ホイール、左ホイール、コールドシューを備え、ボタンやホイールにはプロモードで設定できるISOやEV、シャッター速度、アスペクト比変更と言った機能を割り当てできます。

複数ボタンに様々な機能を割り当てできる

 そして、よりカメラ風にしてくれるグリップのついたアタッチメントもあります。こちらを使う場合は本体下部に付けたアタッチメントを取り外し、交換して取り付けます。

グリップ付きのアタッチメントに交換

 カメラ感120%というか、もはや言うことなしのデザインです。

これはもうカメラだろう、という外観

 本体下部には三脚穴もあります。隙間からブルーの色が見えますが、装着のベースとなったモデルはZ70 Ultraのスターレイナイト版。ゴッホの名画をモチーフにしたブルーのモデルです。このようにこのキットはベースの色を完全に隠してくれるので、どの色のモデルであっても古めかしいカメラ風にしてくれます。

底面の三脚穴が何気に便利

 USB Type-C端子部分もしっかり開いています。グリップ部分が革製で若干隙間があるものの、かえって手作り風で悪くありません。

側面端子も使用できる

 広角レンズ部分には、Fotorgearがスマートフォンに出しているTマウントのレンズなどを装着可能。また、標準で67mmのフィルターを取り付けることのできるTマウントアダプターが付属します。67mmフィルターはシャオミやvivoなど他社のフォトグラフィーキットでも採用されているフィルター径で、このキットもそれに合わせています。

67mmフィルターアダプターも付属

 NDフィルターを装着してみました。フィルターを付けても本体操作に余裕がありますね。広角以外のカメラは隠れてしまいます。これがシャオミなどのフォトグラフィーキットとの大きな違いです。ただ、nubiaのこのキットは広角カメラの中央にフィルターが配置されるというメリットもあります。

広角カメラの中央にフィルターがくる。ほかのレンズは隠れてしまう

 いろいろと付けてみました。コールドシューにはLEDライト、フィルターにはあえてレンズフードを装着。こうして使うと「写真を撮影してる」という感覚で、いつもの撮影とは気構えも変わってきます。

アクセサリーで撮影を楽しめる

 このキットの唯一の欠点は、付属のストラップの金具が太めなこと。金属を使わない別のストラップを取り付けたほうがいいでしょう。

付属ストラップは金属金具、取り付け用にアタッチメントが付属するがやや不便

 見た目だけではなく実用性も高いこのキット、中国では約1万5000円程度で販売されています。日本でも発売してほしいものの、Bluetoothがあるため認証の手間を考えると難しいでしょうか。ぜひ検討してほしいですね。

日本発売を期待

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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