KDDIは、7月24~25日に大阪の天満宮で開催される日本三大祭り「天神祭」において、イベント時の通信品質強化対策として、5G(Sub6)の2つの周波数帯(3.7GHz帯/4.0GHz帯)に対応した無線装置「Dual Band Massive MIMO Unit(DB-MMU)」を搭載した可搬型基地局を初めて導入した。
この導入により、従来の装置と比較して最大2倍の顧客が接続可能となる画期的な通信環境が実現される見込み。
最大2倍の接続数を誇る接続通信技術「DB-MMU」
通常の無線装置では周波数帯ごとに設置が必要であるのに対し、DB-MMUは1つの無線装置でSub6の2つの周波数帯を同時に利用できる点が特徴。これにより、1つの周波数にのみ対応した従来のMMUと比べ、最大2倍の顧客を収容できる性能を持つ。
また、本基地局は可搬型であるため、建物などへの設置が容易であり、一時的に人が集中するイベントでの通信品質強化に貢献する。さらに、従来のMMUと比較して小型軽量化が図られており、サイズが約2割、重量が約4割削減されている。多数のアンテナ素子を利用したMassive MIMOのビームフォーミング技術が適用され、顧客が利用する場所に効率的に電波を届けられるほか、Multi-User MIMO(基地局側で伝送路状態を高精度に推定し、複数の端末と空間多重による同時通信を実現する技術)を活用することで、高密度な通信を実現する。
天神祭におけるDB-MMU搭載の可搬型基地局は、大阪市都島区中野町4丁目付近と大阪市都島区綱島町付近に設置される。
DB-MMUの導入事例としては、今年4月に国内で初めて大阪・関西万博会場への商用導入が発表されており、DB-MMUではなくMMUだが2024年8月6日には阪神甲子園球場の通信速度が1.6倍に向上したという実績も報告されている。
今回の天神祭での初導入は、KDDIが推進するイベント時の通信品質強化戦略の一環であり、今後の大規模イベントにおける通信環境の改善に大きな期待が寄せられる。




























