現代の奇跡!? UnihertzのQWERTYキー付きスマホ「Titan 2」

文●オカモト/ASCII

2025年07月24日 10時00分

約4万円で入手できるQWERTYキー付きスマホは現代の奇跡!?

 スマートフォン時代に、グローバルで見れば少数派なテンキーベースのフリック入力が定着した日本。一方で、世界で見ればQWERTYで文字入力したい人もまだまだいるわけで、1つの解決策として、「Clicks」のようなキーボード付きカバーが話題になっている。

Titan 2

重量は約235gとかなり持ちやすくなったTitan 2

 一方、QWERTYキーボード付きスマホに果敢に挑戦し続けているのがUnihertz。クラウドファンディング発で端末を提供。「Titan」「Titan Pocket」「Titan Slim」と代を重ねて、今年6月に「Titan 2」を発表している。

Titan 2

左からTitan Slim、初代Titan、Titan 2。Titan Pocketも購入したが、画面が小さかったこともあり処分してしまった……

 Kickstarter(https://www.kickstarter.com/projects/jellyphone/titan-2-the-latest-5g-qwerty-physical-keyboard-smartphone)では7月24日21時で一旦締め切られ、価格は2120香港ドル(約4万円、到着は10月を予定)。後述するスペックや使い心地を考えると、お買い得感さえある同機について、あらためて紹介しよう。

ラグド系だった前モデルとは方向性が異なる端末
特にキーボードの打ち心地は大きく違っている

 さて、そのTitan 2だが、前モデルのTitanとは「大型でほぼ正方形の画面を持つ」部分は共通だが、純粋な後継機とは言いがたい。TitanはIP67の防水防塵に加え、ラグド系という側面も持つ1台で、横幅は92.5mm、重量は303gと300g超(!)。「落としたら足の甲を骨折しかねない」というネタをSNSで見たくらいだ(筆者が落としたら、足の甲は折らなかったが、フレームがド派手に凹んだ)。

Titan 2

Titan(左)との比較。初代モデルはラグド系を意識して、外装もかなり頑丈そうに作られていることがわかる。スクウェアなデザインで、厚みは10.8mmあるのにそこまで分厚くは感じない。重量についても同様。サイズが大きい分、235gでも逆に軽く感じるほどだ

 それと比べると、Titan 2はかなり普通(?)のスマホになったと言っていい。本体サイズは約88.7×137.8×10.8mmと横幅が大きいのはともかくとして、重量は約235g。昨今の大画面スマホと大差ない。また、スクウェアなスタイルは見栄えもいいし、シボ加工風の背面も上々だ。

Titan 2

背面にはサブ画面があり。全体にはシボ加工になっている

 ただしそれ以上に、Titanとの違いは肝心のキーボードにある。Titanは防水対応のためか、柔らかなシートの上に置かれたキーを押しているというか、どうにも打ち応えが頼りない感じが拭えなかった(好みの問題はあるだろうが)。その点、Titan 2はかなり固めのしっかりした打鍵感。キーのサイズは異なるが、感覚的には基本的にTitan Slimと近いと考えていい。固めなのでやや力が入る感じはするものの、個人的には頼りないよりはずっとイイと考えている。

Titan 2

こちらが肝心のキーボード。配列はTitan Slimに準ずるものだが、最上段中央の指紋センサーはなくなっている(指紋センサーは右側面の電源キーに内蔵)

Titan 2

打ち心地は全体にかなり固めの印象

 入力プログラムは「Kika Keyboard」が搭載されているものの、使い勝手はこれまでのTitanシリーズと同様に若干不満が残る(Shiftキーを使うとモードが切り替わる)。「Gboard」では音引きや句読点の入力でキーの組み合わせが必要となるので、従来のTitanシリーズ同様に有料アプリ「AquaMozc for Titan」が対応してくれることを期待したくなる。

Titan 2

Titan 2でKika Keyboardを使っているところ。十分実用的だが、Shiftキーを使うとモードが切り替わるのが……

Titan 2

初代TitanでAquaMozc for Titanを使っているところ。細かなカスタマイズも含めて、非常に有用なソフトウェアだが、現状ではTitan 2では動作しない

Dimensity 7300搭載で処理性能はまず不満無し カメラは……
サブディスプレーは楽しく使えそう

 そのほかの使い勝手を見ていこう。まずは処理性能の大幅な向上。SoCがミドルクラスではおなじみの「MediaTek Dimensity 7300」が搭載され、5Gにも対応。処理不足を感じることはまずない。

 1440×1440ドットの4.5型液晶もリフレッシュレートは60Hz止まりのようだが、画質面でも不満無し。正方形のディスプレーは、その縦横比を考慮していないウェブサイト/ウェブアプリの一部で問題が生じることもあるが、その際は3本指で下にスワイプすることで、両サイドを切った縦長の画面に変更することが可能だ。

Titan 2
Titan 2

正方形の画面で操作しにくいウェブサイトがあった場合は、画面の縦横比を再起動せずに切り替えることが可能

 カメラは5000万画素+800万画素の望遠(光学3倍)となかなかのスペックだが、画質面では「メモとしては役立つかな」というところ。大きな期待を持たない方がいい。夜間の撮影もノイズが多いものの、明るく撮ってはくれるのでメモにはなる。

 なお、カメラはディスプレーと同じく1:1での撮影も可能だが、4:3の左右をカットしているだけなので、この縦横比で積極的に撮影するかどうかはユーザー次第だろう。

Titan 2

写真のサンプル。全体に緑っぽい印象

Titan 2

夜間での撮影はノイズは厳しいが、明るくは撮ってくれるのでメモとしては役立つ

 マニア受けしそうなのが背面の2型サブ液晶(410×502)。通常は時計やウィジェットを表示させるだけだが、ユーザーの設定により、通常のAndroidアプリを動作させることも可能(もちろんタッチ操作にも対応している)。実用的かどうかはともかく、いろいろ楽しめそうだ。

Titan 2

小さな画面だが、Androidアプリを動かすことが可能

Titan 2

左側面(下)に2つの赤いカスタマイズ可能なキーがあり

Titan 2

それぞれにアプリの起動などを割り当てられる

スロットはnanoSIM×2で、microSDの増設やeSIMは非対応。対応バンドはドコモ4.5GHz帯を除いて、国内の主要バンドをサポートする。国内の技適取得も公表済み

QWERTYキー付き端末が欲しいのであればチャレンジしがいあり

 引き続き、横幅約88.7mmというサイズに加えて、カメラ性能など、スマホをこれ1台で済まそうと考えれば、限界を感じる部分はいろいろある。ただ、十分な実用性がともなった処理性能に加えて、現代の大画面スマホと大差ない重量、そしてなによりQWERTYキーボードを備えて、先行するクラウドファンディングであれば手頃な価格。こういう端末を望んでいた人であれば、チャレンジしがいがある1台であることは間違いないと言える。

Unihertz「Titan 2」の主なスペック
ディスプレー 4.5型液晶/2型液晶(サブ)
画面解像度 1440×1440/410×502
サイズ 約88.7×137.8×10.8mm
重量 235g
CPU MediaTek Dimensity 7300
内蔵メモリー 12GB
内蔵ストレージ 512GB
外部ストレージ ――
OS Android 15
対応バンド 5G NR:n1/3/5/7/8/20/25
/26/28/38/40/41/77/78
4G LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/13
/17/18/19/20/25/26/28/66
/34/38/39/40/41/42/48
W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19
4バンドGSM
無線LAN Wi-Fi 6
カメラ画素数 5000画素
+800万画素(光学3倍望遠)
イン:3200万画素
バッテリー容量 5050mAh(33W対応)
ワイヤレス充電 ×
FeliCa/NFC ×/○
防水/防塵 ――
生体認証 側面指紋+顔認証
SIM形状 nanoSIM×2
USB端子 Type-C
イヤホン端子 ×
 

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