スマートフォンのバッテリー容量の大型化が中国で進んでいます。7000mAhを超えるモデルが次々と出てきており、今や8000mAh台の製品も登場してます。
デカバ(大容量バッテリー)搭載スマートフォンと言えば、ECサイトで販売されている中堅メーカーのタフネスモデルを思い浮かべる人が多いかもしれません。本体デザインはゴツイ代わりに、1万mAh越えのバッテリー搭載モデルも珍しくないのです。しかし、派手なデザインやサイズの大きさ、充電速度も遅いなど日常的に使うには難点があります。
そこでバッテリーそのものの改良で、容量を増やしたモデルが出てくるようになりました。当初は6000mAhクラスの製品から始まり、前述したように7000mAh、8000mAhと高容量化が一気に進み始めたのです。これはスマートフォンで使われているリチウムイオンバッテリーの内部素材を改良したことで実現しています。
各メーカーが採用している大容量バッテリーは、バッテリー内部の負極の素材をシリコン炭素に変更しています。シリコン炭素は従来のカーボン(炭素)負極材に比べより多くの電気を蓄えることが可能なのです。これにより従来と同じサイズのバッテリーで1.5倍以上もの電力を供給できるようになったわけです。
物理的・技術的は1万mAhを超えるバッテリーも製造可能です。しかし、各国の安全規制により上限が決まってしまうのが実情です。そのため現時点では規制の緩い国のみ、たとえば中国やインド向けなどの製品のみ大容量バッテリーを搭載している、というケースもあります。たとえばシャオミなら「Xiaomi 15 Ultra」のグローバルモデルが5410mAhなのに対し、中国モデルは6000mAh。「POCO F7」はグローバル6500mAh、インド7550mAhです。
2025年8月時点で、8000mAhを超えるバッテリーを搭載するモデルはHONORの「HONOR Power」とvivoの「iQOO Z10 Turbo+」が8000mAh、HONORの「HONOR X70」が8300mAhです。おそらく来年、2026年には9000mAh超えのモデルも中国やインドで出てくるでしょう。


































