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電子ペーパー風からカラーまで、自在なディスプレー搭載TCL製タブレット「NXTPAPER 11 Plus」レビュー

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年09月06日 12時00分

 TCLのタブレット「NXTPAPER 11 Plus」は、独自に開発した目にやさしいディスプレーを搭載する製品だ。スタイラスによる手書き入力にも対応、ビジネスやプライベートシーンだけではなく、長時間の利用でも目の負担を抑えたい学生などにもオススメできるタブレットと言える。

 価格は3万9800円で、TCL直販サイトなどで販売中だ。

TCL開発のNXTPAPER 4.0ディスプレーを搭載

 NXTPAPER 11 Plusは11.5型ディスプレーを搭載するタブレット。ディスプレーは一般的な液晶や有機ELではなく、TCLのディスプレー子会社・CSOTが開発した「NXTPAPER 4.0」を採用している。このディスプレーは液晶技術をベースとし、ブルーライト低減やCPL技術でより自然に近い光を再現。また、カラー表示に加えモノクロ表示にも対応する。

NXTPAPER 4.0を採用

 本体サイズは260.48×176.82×6.5mmで、重さは490g。背面と全面にそれぞれ800万画素のカメラも搭載。SoCはMediaTekのHelio G100を採用し、メモリー8GB、ストレージ256GBを搭載する。モバイル通信には対応せず、Wi-Fiのみとなる。

Helio G100搭載、Wi-Fiモデルのみの展開

 ディスプレーの解像度は2220×1440ドット(アスペクト比16:10)で、最大輝度は550ニト。リフレッシュレートは120Hzに対応する。NXTPAPERという新技術のディスプレーだが、一見すると一般的なディスプレーと発色の差などは感じられない。

縦向き表示ももちろんできる

 本体上部には電源ボタンとボリュームボタンを備えるほか、後述するNXTPAPER KEYも搭載する。バッテリー容量は8000mAh、33Wのハイパーチャージにも対応する。11.5型サイズのタブレットとしては標準的な重量であり、手に持ってみると特に重いと感じることはなかった。

8000mAhバッテリーを搭載

 本体の右上部に配置されているNXTPAPER KEYにはLEDライトが内蔵されており、メッセージ到着時などに点滅する通知ライトとしても動作する。そしてキーを押すことで画面のモードを通常(カラー表示)、アラーペーパー、インクペーパー(モノクロ)と切り替えることができる。

通知ライトにもなるNXTPAPER KEY

 本体のインターフェースはUSB Type-Cが1つのみで、ヘッドフォン端子は非搭載だ。

側面にはUSB Type-C端子のみを搭載

 NXTPAPER 4.0ディスプレーは表面から見ると十分な明るさを感じられる一方、表面はマットな仕上げで指紋の跡もつきにくい。また外部からの光の反射も抑えられている。これは6000万レベルのナノマトリックスリソグラフィー技術を活用した彫刻加工によるものだ。斜めから見ると表面のマット感がわかるだろうか。

長時間の利用でも目が疲れない

目にやさしい3つの表示モードを搭載

 OSはAndroid 15を搭載。NXTPAPERの表示関連や付属のスタイラス「T-Pen」のメニューが設定画面には加わっている。また、消費電力を細かくコントロールできるスマートマネージャー、目の健康を考え休憩を促してくれるEye Careといった項目も追加された。

OSはベーシックなAndroid 15を搭載

 それでは最大の特徴でもあるNXTPAPER 4.0の表示を見てみよう。通常モードはカラー表示であり、一般的なディスプレーと変わらない表示ができる。カラーペーパーモードでは色の彩度を抑えた表示となり、フルカラー表示ながらも目に優しい色合いとなる。そしてインクペーパーモードでは電子ペーパーとほぼ同等のモノクロとなり、黒をしっかりと表示させる紙のような表示となる。

NXTPAPER 4.0の表示モード

 表示モードの切り替えは設定画面からできるほか、本体右上のNXTPAPER KEYを押すことで画面上に切り替えメニューを表示できる。この際、3つのモードがどのように見えるかを簡易表示してくれるため、自分の好みや目的に応じたモードを選択しやすいと感じた。

NXTPAPER KEYからも切り替えできる

 では実際に3つのモードを切り替えてみよう。カラーペーパーモードは確かに淡い色合いとなるが、色の表現は悪くない。また、インクペーパーモードは電子ペーパーとほぼ同等の表示となる。だが電子ペーパーと大きく異なるのは画面の反応速度で、インクペーパーモードでは画面切り替えやページめくりをしてもすぐに表示が切り替わるし、電子ペーパーのような残像も一切残らない。さらにインクペーパーモードなら電力消費も少なくなるため、長時間の利用も可能だ。もちろん通常モードでも目が疲れにくい。

通常モード

カラーペーパーモード

インクペーパーモード

通常モード

カラーペーパーモード

インクペーパーモード

ペアリング不要のスタイラスは付属ケースに収納可能

 付属するT-Penは充電が必要だが、NXTPAPER 11 PlusとはBluetoothではなく画面にT-Penを近づけることでと自動的に接続される。ペンの大きさは一般的なボールペンを若干太くしたくらいだ。筆圧は4096階調に対応する。

付属するT-Pen

 T-Penの側面には上下のボタンがあり、設定画面から機能の割り当てができる。

T-Penのボタンの設定

 実際に手書きをしてみると、パームリジェクションに対応しており、画面上に手を置いても問題なく書き込みができる。ディスプレー表面は紙のような仕上げになっているため、T-Penでの書き心地も紙に書いているように快適だ。

 ただ、ときどき画面に当たった手のひらの部分が小さなドットとして書き込まれてしまうこともある。このあたりはUSI2.0という規格での接続のため、誤認識が多少あるのかもしれない。

手書きは快適だ

 上フタのあるケースも付属しており、ケースを曲げることでスタンドにもなる。造りはかなり簡易的なものだが実用性は悪くない。

ケースを装着してスタンドにもなる

 ケースのヒンジ部分にはT-Penが収納可能。T-Penはタブレット本体の上部にマグネットで張り付けられるが、移動中などに紛失しないよう、この位置に収納できるようになっている。

T-Penを落さないように収納できる

 タブレットでもスマートフォンでも、移動時の傷防止や画面保護としてケースは必須だが、無償でケースが付いてくるのはありがたい。できれば別売でより高級なケースなども販売してほしい。

ケースが無料はありがたい

【まとめ】AI機能も搭載し、長時間利用者に向いたタブレット

 AI機能は主に文書作成など、ビジネス向けのものが搭載されている。会議などを録音して自動文字起こしから議事録作成までできるAIスマートメモ、音声やテキストをリアルタイムで翻訳できるAIリアルタイム翻訳、長文などを要約するAI文章要約などだ。T-Penでの手書き文字をテキスト変換もできるAI手書き入力も搭載する。

文書作成などのAI機能

 NXTPAPER 11 Plusはタブレットとしての性能は一般的だが、圧倒的に見やすいNXTPAPER 4.0ディスプレーに加え、T-Penを使った手書き入力にも対応しており、タブレットを長時間利用するユーザーに向いたモデルだと感じられた。

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