アップルが10日未明に開催したイベントで、iPhone 17シリーズのほか、5.6mmという薄さのiPhone Air、そしてApple WatchシリーズやAirPods Proの新製品が発表されました。
今年は非常に濃かったアップルの発表会の様子を5分でわかるように、発表順にダイジェストでお届けします!
翻訳機能や心拍数測定も!「AirPods Pro 3」
世界で最も人気のあるイヤホンが大幅に進化しました。まず、新しいマルチポート音響アーキテクチャにより、アクティブノイズキャンセリング (ANC) が前世代のAirPods Proの最大2倍、初代の4倍の効果を発揮します。バッテリー駆動時間はANC有効時で最大8時間、通常モードでは10時間の音楽再生が可能です。
ライブ翻訳はApple Intelligenceを活用するもので、AirPodsを装着したまま対面での会話をリアルタイムで翻訳できるようになりました。
1万以上の耳のスキャンと10万時間以上のユーザー調査に基づき、より多くの人にフィットするよう再設計され、5つのサイズのイヤーチップが付属。さらにIP57の防塵・防水性能を備え、激しいワークアウトや悪天候にも対応します。
そして、初めてワークアウト中に心拍数を測定できるようになり、iPhoneのフィットネスアプリで50種類以上のワークアウトを計測できます。Apple Intelligenceを活用した「Workout Buddy」は、励ましの言葉を届けてモチベーションを高めてくれるとのこと。
価格は39800円で、9月19日より販売開始です。
3モデルが一斉にアップデート「Apple Watch」
Apple Watchの全ラインナップ(Series 11、SE 3、Ultra 3)が、健康機能、耐久性、パフォーマンス、そして接続性の向上を実現しました。
健康機能では高血圧通知が追加され、慢性的な高血圧の兆候をユーザーに通知します。この機能は150以上の国と地域で利用可能になる予定です。また、睡眠の質を数値で表示してくれる睡眠スコア機能も加わりました。これにより、睡眠の質を深く理解し、より回復力のある睡眠をサポートしてくれます。そのほか、手首の皮膚温センサー、過去の排卵日推定、睡眠時無呼吸通知といった機能がありますが、SE 3は心電図アプリと血中酸素アプリに非対応です。
全モデルで5Gに対応したことも大きなトピックです。Ultra 3ではさらに衛星通信でメッセージアプリや「探す」アプリも使えます。チップセットは3モデルともS10を搭載し、常時表示のRetinaディスプレイに。画面の明るさはUltra 3が3000ニト、Series 11が2000ニト、SE 3が1000ニトです。
最大駆動時間はSeries 11が約24時間、SE 3が18時間、Ultra 3が42時間で、全モデル高速充電に対応します。
価格はSeries 11が8万800円(GPSモデルは6万4800円~)から、SE 3が4万5800円(GPSモデルは3万7800円~)から、Ultra 3は12万9800円。19日に発売します。
デザインは据え置きも性能は大幅進化
iPhone 17
iPhoneシリーズの中で最初に発表されたのは「iPhone 17」です。ディスプレーは6.3型有機EL(2622×1206ドット)で、最大輝度は3000ニト。デザインは前モデルと大きく変わりませんが、フレームはアルミ製です。また、3モデル共通で、アクションボタンとカメラコントロールが搭載されています。
SoCはA19チップを採用し、ストレージは256/512GBが用意されます。カメラは48MPのメインと、48MPの超広角という構成です。メインカメラはDual Fusionカメラシステムで、光学相当の2倍の望遠機能を統合しているため、1眼に見えて実質2つのカメラになっています。
本体サイズは71.5×149.6×7.95mm、重さは177g。そのほか、Wi-Fi 7とBluetooth 6、FeliCaに対応します。カラバリはラベンダー、セージ、ミストブルー、ホワイト、ブラックの5色。ポップなカラーが多いのが特徴です。
価格は256GBが12万9800円、512GBが16万4800円。
薄くて軽いニューカマー「iPhone Air」
次は「iPhone Air」です。ナンバリングが入らないのは意外でした。iPhone Airの最大の特徴は5.6mmという薄さです。ディスプレーは6.5型とiPhone 17より大きく、重さは165gとiPhone 17より軽いのです。軽いから壊れやすいワケではありません。グレード5のチタニウムフレームと、前面はCeramic Shield 2、背面はCeramic Shieldで覆われています。これまでのiPhoneより3倍優れた傷耐性を持ち、ひび割れ耐性は4倍向上しているのです。
SoCはA19 Proを採用。さらにN1、C1Xといった通信系のチップセットも配置され、動作速度だけでなく通信速度や電力効率も大幅に向上しています。ちなみにC1XはiPhone 16eに乗っていたC1チップを進化させたものです。
前述どおりディスプレーは6.5型有機EL(2736×1260ドット)で、リフレッシュレートは最大120Hzの可変式。最大輝度は3000ニトです。ストレージは256/512GB/1TBから選べます。
カメラは48MPの単眼ですが、Dual Fusionカメラシステムを採用しています。光学相当のズームは2倍まで、超広角はありません。
本体サイズは74.7×156.2×5.64mm、重さは165g。カラバリはスペースブラック、クラウドホワイト、ライトゴールド、スカイブルーの4色展開。もちろん、IP68の防水防塵やFeliCaにも対応しています。
価格は256GBが15万9800円、512GBが19万4800円、1TBが22万9800円。発売日は19日。
Appleのハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるJohn Ternus氏が「未来を手にしているような感覚」と語ったように、iPhone Airは最先端の技術を凝縮した1台と言えるでしょう。
デザイン刷新でオレンジが眩しい「iPhone 17 Pro/Pro Max」
最後のトリを務めるのはiPhone 17 Pro/Pro Maxです。画面サイズは6.3型(2622×1206ドット)と6.9型(2868×1320ドット)の2種類が用意され、SoCもA19 Proが搭載されています。本体はチタニウムからアルミ一体成型の筐体に変更されました。
さらに、SoCなどの熱を抑えるベイパーチャンバーが採用されたのはこのProモデルだけです。放熱設計により前モデルより40%優れた持続性能を発揮するといいます。このベイパーチャンバーのおかげで、リッチなゲームはもちろん、ビデオ編集やLLM(大規模言語モデル)といった、負荷がかかる作業も安心です。
カメラは3眼で、標準、超広角、望遠はすべて48MP。メインカメラはDual Fusionカメラシステムです。さらに光学ズームがiPhone史上初の8倍(200mm)に対応したこともトピック。AIがグループセルフィー時に自動で視野を拡大し、誰もがフレームに収まるように調整する機能も追加されました。
本体サイズはiPhone 17 Proが71.9×150×8.75mm、重さは206g。iPhone 17 Pro Maxが78×163.4×8.75mm、重さは233g。ストレージは256/512GB/1TBは共通ですが、iPhone 17 Pro Maxのみ2TBが用意されます。カラバリはディープブルー、コズミックオレンジ、シルバーの3色で、なかなか個性的なカラーばかりです。
価格はiPhone 17 Proの256が17万9800円、512GBが21万4800円、1TBが24万9800円。iPhone 17 Pro Maxは256GBが19万4800円、512GBが22万9800円、1TBが26万4800円、2TBが32万9800円で、いずれも19日に発売です。ProとPro Maxの差は基本的にディスプレーと本体サイズだけなので、大画面が欲しいならPro Maxを選びましょう。
iPhoneシリーズの予約開始は12日の21時から、発売は19日というのは共通です。また、日本で発売されるiPhone 17シリーズ(Air含む)は、すべてがデュアルeSIM対応になったので、購入時には確認しておきたいところです。
以上、今回の発表会はアップルがユーザーの健康やフィットネス、安全性、そして日々の接続性を向上させるための継続的な取り組みを示すものでした。目玉はiPhone Airでしたが、大幅にデザインが変わったiPhone 17 Proシリーズや、翻訳機能など使い勝手が良くなったAirPods Pro 3など、魅力的な製品が多く紹介され、発売後も盛り上がりそうな予感です。

















































