人なつこいにもほどがあるチャトラ。コンクリートブロックに顎を乗せて気持ちよさそうに撫でられてくれた。首輪もしてたので、うしろにちょっと写っているおうちの飼い猫だと思う。2025年9月 OMDS OM SYSTEM OM-1
やっと夏も終わろうとしているのか、夕方になると猫がちょこちょこ出てくるのをみるようになった今日この頃であるが、真夏の間は一度も姿を見せなかったチャトラがちょこんと座ってたのである。
今や猫は室内飼いが当たり前であるが、昭和の猫は家の中と外を出入り自由ってのが標準的で、このチャトラを飼っている方も、ときどき猫を庭に出してるようなのである。ちょっと涼しくなってきたから外に出したのだろう。
今まで何度か挨拶してるけれども、この猫が偉いのはそのおうちの庭から一歩も外に出ないこと。猫なら乗り越えられそうなフェンスに囲まれているのだが、絶対に外に出ない。でも、めちゃ人なつこくて、目が合うとトコトコやってきてフェンス越しに挨拶してくれるのである。
頭を差し出してきたので撫でてやると、気持ちよさそうにしてくれたのだ(冒頭写真)。
そこで、今回のテーマは猫を撫でながら撮ろうである。猫撫で声ではなくて、リアルに猫撫でだ。
まず、外で出会った猫を撫でるために一番重要なのは、撫でさせてくれる猫と遭遇すること。当たり前すぎて申し訳ないが、それはもう人なつこい猫と出会うか、マメに顔を出して顔見知りになるしかない。無理に懐柔して撫でようとか思ってはいけない。
猫と目があって、その場でしゃがんだとき、とことこと寄ってきてくれる猫が一番いい。
次に大事なのは左手で撫でること。だって右手にはカメラを持たねばならないから。また、いきなり正面から頭を撫でようとするのはよくない。だって、自分より大きな動物の大きな手で上から迫ってきたらこわいよね。猫もたぶん同じなので、ちょっと身を引いてしまう。撫でるときは横、あるいは斜め下くらいからがいい。
こちらは10年ほど前に、東京都港区という大都会(といっても、一歩奥へ入れば古い民家が並んでる)で出会った猫。たぶん飼い猫で、ちょうど外に出てたのだ。最近はほぼ見ないけど、10年前の昔ながらの住宅街は、まだ猫を自由に出入りさせている家もあったのだ。
地域猫でもトコトコやってきて足元にちょこんと座ったら、遊んでくれといわれてるようなものなので横から手を出して撫でてやる。
真正面にいても、横から首筋を撫でるくらいは許してやろうって猫もいる。
ときにはぐいと頭を押しつけられたりする。撫でたり掻かれたりする気持ちよさを知ってる猫なのだ。
中にはいきなり首筋を差し出す猫も。次は多摩川の河原にいた猫(残念ながら今はもういない)。
首筋やおでこから頭頂部に掛けてぼりぼり掻いてやるとよろこぶ猫はけっこう多い。なれないと、腰のあたりを撫でようとしがちだけど、それは嫌がる猫もいるのでご注意を。昔、塀の上に猫が座ってたので近くにきてくれないかなと指先を差し出したら、いきなり頭頂を押しつけられた。ここが痒いからさっさと掻けといわんばかりである。
この猫、後ろに見えてる廃屋のベランダに住んでたようだが、今は取り壊されてしまって駐車場になってしまった。
今回、写っているのは全部わたしの左手であるが、わたしの手ばかりでもアレなので、最後は違う人の左手で撫でられてる猫を。静岡に仕事でいったとき、たまたま気持ちよさそうに撫でられてる猫がいたので、撮らせてもらったものを最後に。
なんか撫で方が優しくて猫も気持ちよさそう。
というわけで、人なつこい猫がいたら撫でながら撮りたいので、片手で持てて威圧感のないカメラが好きなのである。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/





































