山根博士の海外モバイル通信

地中海の島国ではPOCOとOnePlusスマホが人気! キプロスで見つけたスマホ

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年09月24日 12時00分

たまたま立ち寄ったキプロスでスマホショップ巡り

 みなさんはキプロスという国に行ったことがあるでしょうか? 地中海に浮かぶ島で、今回訪問したラルナカは国内最大の空港があり、ビーチ沿いの「椰子の木通り」が有名な避暑地です。このラルナカにたまたま1泊したので、ショッピングモールに入っている家電量販店でスマートフォンの売れ筋製品を見てきました。

ラルナカの「椰子の木通り」

 ラルナカ市内の移動はバスか車。配車サービスがあるものの、バスなら1日7.5ユーロ(約1300円)で空港からのアクセスも含め乗り放題なのでそのチケットを買いました。ラルナカ唯一の大型ショッピングモール「Metropolis Mall」へはビーチエリアからバス1本。Googleマップでは検索できないので、公共交通機関「Cyprus Public Transport」のサイトで路線検索して移動しました。

大型ショッピングモール「Metropolis Mall」

 モール内には地元キャリア「Cyta」や「Primetel」「Epic」の店も入っています。ほかにもスマートフォンケース屋や、アップル製品を扱う代理店もありました。とはいえ、ショッピングモールの規模は小さく、1日過ごすほどの広さではありません。

キプロス最大手キャリアのCyta

 家電量販店はギリシャにあるPublicが入っています。生活雑貨や書籍なども扱う、ギリシャの蔦屋書店とも言える存在です。

ギリシャのPublic

 スマートフォン販売コーナーにはアップル、サムスン、シャオミの小ブースが並びます。シャオミは2ブース使うなど販売に力を入れている模様。サムスンは発売されたばかりの「Galaxy S25 FE」をすでに並べているなど、最新機種も揃っています。

メーカーの小ブースが並ぶ

 そのほかのスマートフォンの展示コーナーは1ヵ所で、ここに30機種くらいが並べられていました。キプロスの人口を考えると、ドイツやフランスなどよりも展示されている製品数は少な目。ちなみにドイツの家電量販店、Saturnならこの倍以上の数が展示されています。

そのほかのスマートフォンのコーナー

キプロスで人気のスマホはPOCOやOnePlusと中国系が強い

 ここに置いてあるスマートフォンがキプロスでは売れ筋、あるいは人気ということになるのでしょう。品ぞろえを見ると、なんとシャオミのPOCOが複数展示されていました。POCOはオンライン販売向けの製品で、日本や韓国などごく一部の国で店舗展示がありますが、キプロスの家電量販店でも実機の展示がありました。シャオミの展示ブースに置いていないことから、完全なる別ブランドとして販売されていることがわかります。

POCO X7とX7 Pro

 ちなみに、キャリアのお店(Epic)にもPOCOがあり、キプロスではPOCOの実機を触って性能を確認して買うことができるわけです。

キャリアの店にはPOCO M7 Proがあった

 次に数が多かったのはOnePlus。Nordシリーズを中心に5機種を展示。Nordシリーズは価格が手ごろでヨーロッパでも人気ですね。タブレットコーナーにも「OnePlus Pad Go」があるなど、認知度は高いようです。なお、ほかのメーカーはモトローラとOPPOがちらほらある程度。HONORやvivoは見かけませんでした。

OnePlusもNordシリーズを多く展示

 また、展示品処分コーナーもありました。だいぶ古い製品が手ごろな価格で売られていましたが、ここにrealmeを発見。数年前まではキプロスでも結構売られていたのでしょう。一番左のモデルは「realme GT Master Edition」。深澤直人氏がデザインした製品で、スーツケースをモチーフにしたデザインモデル。今となっては貴重な1品です。

展示品コーナーに深澤直人氏デザインモデルを発見

パナソニックのケータイも発見!

 フィーチャーフォンコーナーにはノキア(HMD)、パナソニックと、ヨーロッパではどこでも見かけるモデルが展示。日本ではパナソニックのフィーチャーフォンが急に復活したような記事も見かけますが、ヨーロッパでは数年前からフィーチャーフォンを出し続けています。

 ここで気になったのはHMDのバービーフォンで、ピンクのボディーとバービーデザインが目立ちます。1年前発売の製品ですが、フィーチャーフォンですしまだまだ現役です。

バービーフォンも販売中

 スマートウォッチコーナーには、新興国でシェア拡大中のHIFUTUREの製品がありました。価格は50ユーロ程度、1万円以下で買えるとあって、シャオミのスマートバンドのように低価格なウェアラブル端末としてヨーロッパでも少しずつ存在感をアピールしています。

HIFUTUREの格安スマートウォッチ

 ところでモール内にはキプロスの大型スーパー、Alphamegaが入っていましたが、モバイルバッテリーなど生活ミニ家電を売るコーナーに、シャオミのワイヤレスイヤホン、マウス、扇風機、スピーカー、さらに電気ポットや電子レンジも売っていました。シャオミのIT小物や家電製品はスーパーにとっても売りやすい商材なのでしょう。

スーパーに売っていたシャオミの家電など

 キプロスは地中海を挟んで対岸のトルコ同様、猫の多い土地でもあります。スマートフォンの買い物はあまり楽しめる場所ではありませんが、美しい海岸や古い建物、そして猫たちをスマートフォンのカメラテストで被写体に収める楽しさがあります。

猫の姿も多かった

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング