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バッテリー&スピーカー内蔵でこれ1台でどこでもDJ! こだわり抜かれたDJマシンをテストするぞ! (2/4)

文●スピーディー末岡/岡本/ASCII 編集●ASCII

2025年10月19日 17時00分

 筆者は歴代GODJシリーズを購入してきましたが、今回の「FJ1」はその系譜を正統進化させた仕上がりになっていると感じます。持ち運びやすい、いつでもどこでもDJ可能というコンセプトを継承しつつ、A4サイズながら、プロ仕様のミキシングやスクラッチも可能。遊び心を刺激するガジェットでありながら、本格的にプレイもできる実力を兼ね備えています。

 以前、製造元のミューシグナル代表にインタビューした記事もありますので、そのモノづくりスピリットも感じてください(世界のMonster社が惚れた 地方ベンチャーがつくった小型DJ機器GO-DJ)。

初代GODJ(2012年)

FJ1を使う3つのメリット

ポイント(1)堅牢なアルミ筐体とバッテリー内蔵でどこでもプレイ可能

 FJ1はプラスチック製だった前モデルから進化し、アルミニウム筐体を採用。手触りや耐久性の高さはもちろん、使用中の安定感も増しました。多少の衝撃でも安心感があり、長く愛用できる質感です。さらに注目すべきは、内蔵バッテリーとUSB Type-C(PD)給電に対応したことです(前モデルはmicroUSB)。

 専用ACアダプターではなく、一般的なUSB PD対応充電器やモバイルバッテリーで手軽に充電できるので、コンセントが取りづらいアウトドアやフェス会場でも電源問題を気にせずプレイできます。まさに「持ち運べるクラブ」をそのまま形にしたような1台です。

右側面。USB Type-Aは2つ搭載

左側面。3.5mmジャックはライン/マイク入力

2つある3.5mmジャックはどちらもヘッドフォンを挿す

YouTubeでミューシグナル「FJ1」のレビューを見る

ポイント(2)大きくなって進化したディスプレーと十分なスピーカー性能

 本体中央に配置された横長のタッチパネルディスプレーは、従来機より大きく明るくなり、波形表示が格段に見やすくなりました。前モデルは320×240ドットの明るさ150 cd/m2でしたが、FJ1では1920×480ドット、明るさ600 cd/m2になっています。これまでは老眼に厳しかったので(文字が読みづらかった)、個人的に一番歓迎したいアップデートです。

 タッチパネルなので直感的に曲の頭出しをしたり、指先でスクラッチしたりと、DJプレイの自由度が大きく広がっています。また、本体スピーカーはサイズの割に低音の厚みがあり、ボリュームも大きいので、ちょっとしたパーティーなら外部スピーカーなしでも盛り上げられるかも。もちろんRCA出力(赤白ケーブル)でクラブ用の大型スピーカーに接続もできますが、本体だけでも音質面で十分に楽しめるのは大きな魅力です。

左が前モデル「GODJ Plus」。ディスプレーはもちろん、ボタンレイアウトなどが大きく進化した

ポイント(3)豊富な音源フォーマット対応とUSB運用の手軽さ

 FJ1はWAV、MP3、AACはもちろん、Apple LosslessやFLAC、さらにDSDフォーマットまで対応。ほとんどの音源フォーマットをカバーできるため、手持ちのライブラリをそのまま活用できます。操作方法も非常にシンプルで、音楽ファイルをUSBメモリーに入れて本体に差し込むだけ。

USBメモリーに楽曲を入れて使う。今のところ、WMAは非対応

 インターネット環境や専用アプリが不要で、現場ですぐに音源をやり取りできる点は、DJ経験者にとってもありがたい設計です。PCレスでここまで自由に扱えるのは大きなアドバンテージでしょう。

 もちろん曲を入れるためにPCとUSBメモリーを繋ぐ必要はありますが、FJ1本体をPCに繋げる必要はありません。

購入時に注意するべき側面

ポイント(1)アルミ筐体の安心感と引き換えに重量がある

 アルミ製筐体で高級感が出た反面、約1.8kgとズシリとした重量になりました。ノートPC感覚で気軽に持ち運ぶには少し重い印象です。また、音源は現状USBメモリーのみ対応で、クラウドやストリーミング再生は不可。ローカルデータ中心の運用がメインになります。

アルミの本体は高級感、安定感はあるが、一般的なノートPCより重たい

 ただし裏を返せば、オフライン環境でも確実に動作する「トラブルに強い」設計とも言えます。また、今のところ製品ができあがったばかりなので、フリーズなどの不具合が起きやすいですが、そのたびにアップデートされていっています。

ポイント(2)こだわりゆえの少々高めの価格設定

 クラウドファンディング時は5万7800円~(定価9万2000円)でしたが、資材高騰などもあって今後予定されている一般販売価格は12万8000円となる見込みです。

クラウドファンディングで購入すると、このような専用ケースが付属していたが、一般販売では未定

 初心者が気軽に手を出すには少しハードルの高い価格帯ですが、ほかのオールインワンDJ製品でも15万円以上するものもありますし、コントローラー含めて一式揃えるとかなりの金額になるので、実はそこまで高い金額には思えません。本格的なDJセット一式を揃えるコストを考えれば、FJ1は“1台完結型”として十分割安です。

 サブ機や練習機材として導入を検討しているDJにも、納得できる仕上がりです。

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