気がつけば、アップル以外の主力メーカー全社から出ている「折りたたみスマートフォン」。それらの中でも横に開くFoldタイプの製品が、今年も次々と登場しました。しかも薄型軽量化が一気に進み、一般的な“たためない”スマートフォンよりも軽いモデルも当たり前になりつつあります。
このFoldモデルの競争が厳しい中国で、サムスンから高級モデルの「W26」が登場しました。
サムスンの中国独⾃ブランド「⼼系天下W」とは
サムスンのスマホブランドといえばGalaxyですが、中国では「心系天下W」シリーズとして、独自のモデルが展開されています。中国キャリアの中国電信と協業したモデルで、高性能かつ高級デザインのモデルを毎年展開しています。2025年10月に発表された「W26」は「Galaxy Z Fold7」をベースに、ボディーの仕上げを高級にしたモデル。ちなみに、中国ではW26、Galaxy Fold7が併売されます。
Snapdragon 8 Eliteをチップセットに採用、ディスプレーは閉じたときが6.5型、開いたときが8型、バッテリーは4400mAh、カメラは広角2億画素、超広角1200万画素、望遠が1000万画素の3倍。Galaxy Z Fold7との違いはメモリーとストレージの構成で、W26は16GB+512GB、16GB+1TBという高容量モデルのみが販売されます。
本体はフレームをゴールド仕上げとし、背面には「心系天下」のロゴも入っています。背面はガラス仕上げでかなりの光沢感があります。指紋の跡は目立つのですが、それをふき取って、常に美しい状態で見せたくなるモデルです。
カラバリはブラックとレッドの2色です。どちらの色も深みのある味わいであり、中華圏では特に好まれるデザインと言えるでしょう。とはいえ、ほかの地域でもこのカラーリング・仕上げを好む人は多いはず。
実はこれまでの心系天下シリーズは、サムスンが折りたたみモデルを投入してから、FoldとFlipモデルの2種類が展開されてきました。昨年、2024年は「Galaxy Z Fold Special Edition」をベースにした「W25」と、「Galaxy Z Flip6」をベースにした「W25 Flip」が登場。それぞれのカラバリはなく、1色ずつの展開でした。
2025年はFlipをやめFoldだけになりましたが、これは中国での存在感を維持するとともに販売数、売り上げを高めるためでしょう。グローバルでは多くの国でスマートフォンの販売台数で1位や2位をキープしているサムスンですが、中国では地元メーカーにまったく太刀打ちできていません。しかし、折りたたみモデルだけはしっかりと存在感を示しています。
「打倒ファーウェイ」へ! 競合を意識した価格と選択肢の拡充
W26の価格は1万6999元、約36万8000円から。中国で折りたたみシェアトップのファーウェイの製品と比べると、Fold型の「Mate X6」が1万2999元(約28万1000円)から。カラバリは5色。3つ折り型の「Mate XTs Ultimate Design」が19999元(約43万3000円)からでカラバリは4色もあります。
サムスンのGalaxy Fold7の中国モデルは3色しかなく(価格は13899元、約30万1000円から)、心系天下に2色を加えることで消費者の選択肢を広げようとしています。
そのファーウェイはMate X6の発売から1年がたち、新たなFoldモデルを展開予定。そうなるとサムスンだけではなくHONOR、OPPO、vivoなど他社にとっても大きな脅威になります。
中国の折りたたみスマートフォン市場では「打倒ファーウェイ」を目指し各メーカーが競争をしており、W26シリーズも中国では大々的な売り込みを図っているのです。


































