富士フイルム「X-T30 III」で秋の散歩猫を撮る
富士フイルムの新モデル「X-T30 III」。前回はキジトラ特集で終わってしまったので、今回はそれ以外の猫の写真を行くのである。
X-Tシリーズは富士フイルムの主力シリーズといってよく、X-T30 III、X-T50、X-T5と三兄弟のうち、長兄がX-T5。価格はちょっと高いけど、一番高性能で初心者向きではないけど、必要な時にさっとマニュアル撮影できる人には最高の使い勝手。
X-T30 IIIは末っ子で、「オート」レバーが付いててフルオート撮影もできるし、その気になったら細かい設定もこなせるし、ボディー内手ブレ補正は持ってないけど、軽くてコンパクトで廉価なのがいい。
モニターがチルトするので高いところにいる猫もOK。
フィルムシミュレーションで雰囲気を瞬時に選択できるのが便利
もうひとつ、X-T30 IIIにはフィルムシミュレーションダイヤルがついていて、好きなフィルムシミュレーションを瞬時に選べるのがいい。これはノスタルジックネガというちょっとレトロな感じで取れるもの。
地面にいる猫でもOK。ちゃんと瞳にピントが合ってくれる。
フィルムシミュレーションはVelvia。色が強めに出てくっきりするので屋外で撮るのにいい。黒猫の目の色も鮮やかに。
実は今の季節……といっても、秋なのか冬なのかさっぱりわからない昨今であるけれども、夏の間、日陰の目立たないところでへちゃっとしてた猫たちが、冬眠から醒めた……いや、夏眠から醒めたようにひょっこり顔を出してくれるのでありがたいのである。
同じくVelviaで白猫。陽射しを浴びて気持ちよさそうに寝てる姿を望遠でそっと撮ったのが冒頭写真だ。白猫らしい白さ。もうちょっとアップで撮りたいなと思って少し近づいたら、一瞬でバレた。さすが猫である。
次は別の場所で別の黒猫をPROVIA(スタンダード。標準的な画質だ)で。
ちょっと落ち着いた、渋い感じで撮りたいときはクラシッククロームが人気。たまにしか出会えないけど、この猫の顔の模様がかっこよくて気に入っているのである。
富士フイルムのフィルムシミュレーションで忘れてはならないのが、ACROS。同社が出していた白黒フィルムのシミュレーションで、これがまた実にコントラストが良くて渋い写真が撮れるのだ。だからついつい使いたくなる。
前回も登場したキジトラなんだけど、白黒にするとさらにワイルドになる感じがいい。
富士フイルムのXシリーズが、エントリーからミドルクラスを中心にフィルムシミュレーションダイヤルを装備してきたのはヒットだと思う。その場の雰囲気に合った、あるいは自分好みのイメージの写真をささっと撮れるから、よりデジタル写真を楽しめるのだ。
散歩に適した季節が短くなってきてる困った昨今の気候だけれども、今はチャンス!
■Amazon.co.jpで購入
-
古地図と地形図で発見!鎌倉街道伝承を歩く荻窪 圭山川出版社
-
東京「多叉路」散歩 交差点に古道の名残をさぐる圭, 荻窪淡交社
-
古地図と地形図で楽しむ 東京の神社 (知恵の森文庫)荻窪 圭光文社
筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/







































