液体の動きが外から見える水冷システム
OSはAndroid 16をベースにしたREDMAGIC OS 11を採用している。AIアシスタントとして「MORA」を搭載。これはREDMAGICシリーズの公式マスコットである「MORA」(モーラ)の名前でもある。音声による各種タスクの操作が可能だ。また、文章作成支援のAIライティングアシスタントや、カメラ経由で被写体を識別するAIオブジェクト認識などにも対応。ハイエンドスマートフォンとしても十分なAI機能を強化している。
今回は短時間しか使用できなかったが、全体のパフォーマンスは十分すぎるレベルであり、スマートフォンの一般的な操作だけではなく、写真や動画の撮影、AIによる写真の加工、動画の編集もストレスなくできた。ハイスペックなゲームもサクサク動作し、アンダーディスプレーカメラによる視野を妨げないディスプレーでのプレーも快適だ。
これらは高性能なチップセットの搭載によるものだけではなく、幅に強化された冷却システムの効果がしっかりと現れていると感じる。
冷却システムは10層になるAquaCore冷却システムを採用。画面下銅箔や高熱伝導性グラフェン、13116mm2の3Dベイパーチャンバー、複合液体金属3.0、高速航空宇宙アルミニウムエアダクトなどなど、薄い本体の中に限界まで冷却板などを搭載している。
そして、過去モデルから継続して搭載される空冷システムと新搭載の水冷システムで発熱を限界まで放熱できる。この2つの冷却システムは個別にコントロール可能だ。
空冷システムは24000rpmのターボファンを搭載し、本体内部の発熱を空気流動により強制的に排熱する。そのため本体側面は左右に空気流入と排出、2つのスリットが開いている。このスリットがあるためこれまでのREDMAGICシリーズは防水に対応していなかったが、REDMAGIC 11 Proではスリット内側の構造を防水仕様にすることでIPX8の防水に対応した。また、ファンの回転数やファン内蔵のLEDライトの点滅パターンなども自由にカスタマイズできる。
そして、世界初の水冷システムはAIサーバーグレードのフッ素系液体を薄いパウチ状に封じ込め、液体を流動させることで高い放熱性能を実現している。非導電性設計、液漏れ防止もしっかりされているので安心だ。
実際の水冷システム動作中の動画は下をご覧いただきたい(中国向けのREDMAGIC 11 Pro+)。
設定画面では水冷の循環速度の強弱や、充電中の強制水冷、また水冷に伴うわずかなノイズを通話中に拾わないようにするため、通話中の水冷オフといった設定が可能だ。
ゲームのために生まれた端末だが
カメラ性能だって高い
REDMAGIC 11 Proの本体サイズは約76.54×163.82×8.9mm、重さは230gだ。本体の形状は四隅の角もきっちりとさせたスクエアな形状で、ゲームをするときも本体をしっかりと固定して持てる。サイバー感あふれるデザインも、新モデルが出るたびに磨かれていき、所有感を十分満たしてもくれる。
ゲームをプレイするときは側面のマジックキーを使い、「GameSpace」を使うことがオススメだ。マジックキーは本体が縦向きでも横向きでもちょうど操作しやすい位置にあり、指先で軽くスライドさせるだけで動作する。
GameSpaceでは、REDMAGIC 11 Proにインストールされているゲームのみが表示される専用のラウンチャーや、本体の個別の細かい設定も可能。通知の完全オフやCPUパフォーマンス、バイパス充電といったゲームに関わる設定を一括してできる。
なお、REDMAGIC OS 11ではゲーム中のライブ配信を画面で共有しモニターできる「スクリーンキャスト」機能、戦略アドバイスをしてくれる「AIタクティカルコーチ」も利用できる。
最後にカメラについても簡単に紹介しよう。3つのカメラは出っ張りがなく、ゲーミング中も手のひらや指先に当たって邪魔になることはない。広角5000万画素、超広角5000万画素に加え、200万画素のマクロを搭載。望遠はないもののワイド撮影から2倍程度のデジタル望遠まで、十分美しい絵の撮影が可能だ。
カメラのUIはシンプルだが、nubiaのカメラフォン「Z」シリーズと同等のUIを搭載しているため、さまざまなエフェクト撮影や夜景モード、また5000万画素の高画質固定撮影などが利用できる。写真加工のAI機能も搭載される。
日本発売が気になる高性能モデル
REDMAGICシリーズは、ここ数年日本でも技適を通した正規品として販売されており、このREDMAGIC 11 Proも日本で発売されることはまず間違いないだろう。
スマートフォンで高度なゲームをプレイするときに気になる発熱問題をクリアし、ショルダートリガーやバイパス充電など、ゲームをするために生まれたスマートフォンであるだけではなく、AI機能や高解像度のデュアルカメラを搭載するなど、ゲームプレイユーザー以外にも勧められる製品と感じられた。日本発売を心待ちにしよう。






































