開通はiPhoneをWi-Fiで接続しておき、クイックスタートは後で
iPhoneが届いてもMNPでの契約なので、番号移行とeSIMの設定をしないと使うことができない。まず、dアカウントでログインして開通(番号移行)をするが、eSIMはそのあとの別手続きとなる。物理SIMでたとえれば、開通してSIMはもらっているが、スマートフォンには差し込んでいない状態だ。
届いたパッケージに入っていた手順では、起動したiPhoneで「スキップ」「あとで設定」を選択し、とにかくiPhoneが使えるようにした状態にしてからeSIMを設定する。つまり、データ移行などの「クイックスタート」は後でやれということだ。
eSIMのダウンロードは、iPhoneをWi-Fi経由でインターネット接続していれば問題なく可能だが、飛ばしてしまったクイックスタートのプロセスを再度使う方法は案内されていない。
また、eSIMのダウンロード後に「再起動」をしろと指定されているが、iPhoneには「再起動」というメニューはなく、実際には電源を切って再度入れることになるにも関わらず、「再起動」と書いてあるのは不親切。世の中には電源ボタンを押して画面を消し、再度電源ボタンを押したら画面が表示されることを再起動と思っている人は少なくないため、混乱するケースもありそうだ。
ちなみにクイックスタートでデータ移行などを進めたい場合は、(eSIMを消さずに)本体を初期化する方法が実は手っ取り早いが、初期化時にどのリセットを選ぶのか、eSIMの削除の有無を聞かれた場合は絶対に消去してはいけないといった詳しい説明書は必要だと感じた。ちなみに、間違ってeSIMを消去してしまった場合は、オンラインでの窓口は用意されているが、ドコモショップで対応してもらうと手数料4950円がかかる。
自分でも疲れたeSIMでの番号移行
MNPによる新規契約も、eSIMの設定も何度もこなしているはずの筆者だが、ドコモの開通時のeSIM設定は実は初めて。機種の製造番号などで特定することで、eSIMを自動で流し込む方法は便利ではあるが、それに至るまでにログインしたり、Wi-Fiに接続したりと手間が増える。
前半に記載したahamo申込時の手続きは、自分が一般の会社員ではないからと多少はあきらめがつくものの、eSIMに絡む番号移行と設定の複雑さは課題だ。iPhoneだけの問題ではないが、iPhoneならクイックスタートといった設定移行の機能があるのに、それを活かさない方法を案内しているのはどうかと思う。
eSIMに関連したトラブルを避けたい人であれば、eSIM専用になったiPhone 17シリーズを避けて、iPhone 16や16eを選んで物理SIMで開通する手もある。もし、eSIMの設定途中で詰まってしまうと、ドコモショップで4950円払って助けてもらう覚悟が必要だからだ。
これからオンラインでahamoとiPhoneを申し込もうとしている人がいたら、筆者のようにならないよう注意してほしい。

























