主要格安SIMの料金表とともに、格安SIM、SIMフリースマホなどの1週間の動きをまとめてお届けしている本連載。2025年も間もなく終了ということで、1年間の話題をまとめて紹介。前回のミドルクラスのスマホに続いて、今回は格安SIM各社のトピックをお届けする。

新型iPhoneがeSIM専用化　MVNOのユーザーにとってはやや不便!?

　まず、今年の格安SIMにおける大きな話題と言えば、新型iPhoneがすべてeSIM専用になった点。

iPhone Airは世界でeSIM専用だが、iPhone 17シリーズについても日本ではeSIM専用版のみが発売される

　eSIM対応が進んでいる大手キャリア（＋サブブランド、オンラインプラン）に対して、MVNOの格安SIMはeSIM自体は提供していても、iPhoneのクイック転送が利用できなかったり、再発行手数料が必要だったりと利便性の面でどうしても不利な状況になっている。

　日本国内の大半のMVNOは、SIMを自社で発行していないこともあり（MNOが発行）、やむを得ない部分も大きいのだが、逆に言えば、競争政策上、行政側はフォローすべき状況ではないかとも考えられる。

●eSIMのみになるiPhone 17／Air　格安SIMでの対応は？ MVNOは要手数料や転送非対応で正直厳しい

IIJmioとmineoが通信量増量＆プランリニューアル
mineoは小容量プランでも使い放題を提供に

　大手MVNOではIIJmioとmineoが通信量の増量を含めて、プラン改定を実施した。

　まずIIJmioは、20～50GBの大容量プランで通信量を5GBずつ増量。また、5GB・10GB・30GBという主力プランも若干ながらの値下げ。

IIJmioは主力の「ギガプラン」について、大容量では増量、小容量では若干の値下げを実施

　一方のmineoは、“全部入り”の50GBコースを追加したほか、11月になって、各コースを増量。また、通信量を使い切った後／高速通信をオフの状態で、3GB／7GBコースでも追加料金無しに最大1Mbpsで使えるほか、上位プランでは1.5Mbps→3Mbpsに増速するなど、独自性を保ちつつ、大手キャリアのオンラインプランに対抗する内容となっている。

mineoも通信量の増量で競争力をアップ

mineoの「パケット放題」は通信量を使い切ったときだけでなく、高速通信のオン／オフを積極的に切り替えることでも有効に使える

●mineoとIIJmioが新プランや容量増量に値下げ、大手MVNOが動く
●mineoが通信量増量＆小容量プランでも1Mbpsの使い放題が無料で使えるように

UQ mobileとY!mobileが実質的な値上げ
ソフトバンクはウェブ経由の各種手続きを有料化

　インフレが進む中、大手キャリアを中心に値上げの動きがあったが、それはサブブランドにも広がっている。

　まず、UQ mobileは旧プランのユーザーがそのまま使っていても月110～220円の値上げ。また、新プラン「コミコミプラン＋」をスタートし、料金は3278円→3498円に値上げ。ただし、通信量は月33GBから月35GBに増量し、「Pontaパス」と「サブスクぷらすポイント」といったサービスも加わっている。

UQ mobileは既存プランの値上げと内容を若干加えて、料金もアップした新料金を開始

　Y!mobileについては、「シンプル3」へとプランを移行。小容量の「シンプル3 S」は2365円→3058円へと値上げしつつ、通信量を増量、また固定回線セットの割引や「PayPayカード割」を増額することで、従来と同じ金額になることをアピールするが、さらに複雑になったことは否めない。

Y!mobileは「シンプル3」に移行。ahamo対抗で海外データ通信の利用を追加したほか、ソフトバンク経済圏との連携をさらに強化した

　ソフトバンクのもう1つ大きな話題が、各種手続きの値上げ。新規契約や機種変更はウェブ経由でも3850円が必要になった。eSIMの再発行はLINEMOでは“当面無料”だが、ソフトバンク／Y!mobileで異なる機種間でeSIMを移動する「eSIMでの機種変更」はウェブでの手続きでも3850円が請求される。これは要注意だ。

ソフトバンクのウェブでの手続きでも手数料が必要というのはインパクトのある改定と言える

●UQ mobile、旧プランユーザーも11月から自動値上げ　OPPOから約2万円の新スマホ
●Y!mobileが「シンプル3」で値上げ＆割引も拡大　シンプルさの点で微妙!?
●ソフトバンクがウェブでの各種手続きを「無料→3850円」に　ワイモバ／LINEMOも

メルカリモバイルが開始　余ったギガをメルカリで売買可

　新サービスでは「メルカリモバイル」が開始。毎月使い切れずに余ったギガをメルカリ上で売買できるのが目玉の格安SIMだ。当初は2GB／20GBの2プランでスタートし、10GB／40GBのプランも追加されている。

3月に開始されたメルカリモバイル

　当初はeSIMのみ（9月からは物理SIMも提供）、支払い方法は「メルカード」か「メルペイのあと払い」のみに限定されていたこともあり、“わかっている”人がユーザーの中心になっていた感がある。2026年はさらにユーザー層を拡大していくのか注目だろう。

●「メルカリモバイル」開始、余ったギガの売買が最大の売り
●ギガが取引可能なメルカリモバイルが大幅強化　4GB／月990円＆メルカリ売買でのポイント還元も

ドコモ「irumo」が「ドコモmini」にリニューアルも存在感薄し

　最後になくなったサービスも。ドコモの小容量プラン「irumo」がリニューアルし、6月から「ドコモmini」となった。この際、「irumo」にはあった「0.5GB」（月550円）の後継と言えるプランは用意されず。

「ドコモMAX」とともに登場した「ドコモmini」。すべての割引を適用した場合に、4GBが880円、10GBが1980円となる

　「ドコモmini」自体も、dカード割、固定回線セット、でんきセット割がすべて適用されての料金がアピールの中心で、なにぶんわかりにくい内容となっている（ライバルのサブブランドも基本同様だが）。最近では、本来はオンライン専用の「ahamo」を店頭でアピールしていることが多い状態で、「ドコモmini」の存在感はかなり薄くなっている。

●ドコモ「irumo」が「ドコモ mini」になって複雑に　irumoの0.5GBは後継プラン無し

人気の音声通話付きSIMの料金表（税込）

^{※：au網を用いたMVNOのサービスは基本的にいずれも直近3日の通信量が6GBを超えた場合の通信速度の制限がある}