米ネバダ州ラスベガスで、現地時間の1月6日から世界最大級のテクノロジーイベント「CES 2026」が開幕する。
開幕を目前に控えたこの日は、メディア向けイベント「CES Unveiled」が開催され、主にスタートアップ企業などによる新技術や新製品がいち早く披露された。会場を歩いていて印象的だったのは、テクノロジーが、生活の中の「これまでは届かなかった領域」に入り込み始めている点だ。
センシング技術で、授乳の状況を可視化
そのうちのひとつが、ヘルステック分野で見つけたデバイス。
「Coro(コロ)」は、センシング技術を活用した、世界初をうたう授乳量モニタリングデバイス。母親の乳房にニップルシールド型のデバイスを装着し、授乳時に赤ちゃんがどれだけ母乳を飲んだのかをリアルタイムで計測できる。
開発する米Corofloによると、母乳育児では長年、赤ちゃんが実際に摂取した母乳量を正確に把握するのが難しかったという。授乳前後で体重を測る方法もあるが、高精度な体重計が必要なうえ、条件による誤差も出やすく、親にとっては負担になることも多かった。
ニップルシールドそのものは、授乳時の痛みや赤ちゃんの吸着を補助する目的で、以前から使われてきた。Coroは、そこに流量センサーや温度センサーを組み込むことで、授乳を“計測”できるようにしている。授乳量だけでなく、母乳の温度や、授乳開始から現時点までの授乳量もリアルタイムで可視化できるという。
このプロダクトは、創業者自身の原体験から生まれた。体重管理が重要な新生児を育てる中で、「いまこの瞬間の正確な授乳の情報がほしい」と感じたことが、開発の出発点だったという。
ごく微細な傷を、はっきりと指先で感じ取れるように
テクノロジーによって身体機能を拡張するという意味では、DICによる「Tacthancer(テクトハンサー)」も印象的だった。
Tacthancerは、人の指では感じ取ることが難しい、微細な凹凸や傷を検知するためのツール。手に装着するだけで、指先から伝わる触感を強調してくれる。センサーと組み合わせれば、検知した凹凸のデータを記録することも可能だ。
シンプルな構造と、単体で駆動するため、電源設備のない環境でも扱える点が強み。会場では「指サック」のように指にかぶせて使うタイプのプロトタイプが展示されていたが、手ぶくろ型などでの製造も想定しているという。
会場で実際に体験したところ、その感触は非常に不思議なものだった。ごく自然に傷や凹みだけが強調され、指先でなぞっただけでは見逃してしまいそうな「微細な傷」や「ごく小さな凹凸」がはっきりと感じられるのだ。
工芸品や美術品など、特に慎重さが求められる製品の品質管理などでは、即戦力として活躍できそうだ。































